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2023.06.27 00:52
2019.02.11 08:00
武神健之「優良健康文化をつくるために」
働き方改“悪”の危険性…厚労省、医師等の一部職種に「月160時間」残業を容認か
同じ働き方改革のなかで、終業時間から始業時間までに11時間は空けて最低限の休息時間を確保するためのインターバル制度も提案されています。が、医師不足の地域や診療科に勤める医師たちに関しては、インターバル時間は7.5時間しかなく、仕事の前後に1時間ずつの食事・通勤・身支度やシャワー時間を設けると、睡眠可能な時間は毎日5.5時間となり、世界一短い日本人の平均睡眠時間6.5時間をさらに更新することになってしまいます。
私は産業医として通算1万人以上の働く人と面談をしてきました。その経験から申しあげると、時間外労働が40時間でも健康障害を起こす人もいますし、120時間でも元気な人もいます。
誤解を恐れずに言えば、時間外労働が多ければ「疲労」がたまります。それが健康障害につながるか否かは、個々人の体力や気力、許容度、やりがい、やらされ感、自己成長の実感や上司同僚からの承認等、残業時間以外に複数の要素があることを感じています。
さらに、同じ働き方改革のなかで、有給休暇を最低でも年5日間は取らせることも法律で定められました。時間外労働の上限をどこまで伸ばせるかだけよりも、それと同時に、時間以外の要素のことを議論したり、有給休暇をどれだけ増やすか、強制的にするか、いっそのこと3カ月連続勤務し1カ月間連続休暇などの勤務形態を検討したほうが、まだ少しは有給休暇に希望をのせて、忙しいなかでも僻地医療に勤しむ医師たちも「夢」をみることができるのではないかと考えずにはいられません。
(文=武神健之/医師、一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事)
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