メタボ予防では「野菜を食べる」「野菜から先に食べる」というのが一般的になってきていますが、皆さんはどんな料理で野菜を摂っていますか?
手軽にサラダで食べているという方も多いかと思いますが、一生懸命摂っているつもりでも実はメタボ予防のためになっていない、野菜が摂れていないこともあります。
なぜ野菜が必要?
「野菜をしっかり摂る」というのは、小さい子どもから大人まで言われていることです。そもそも、なぜ野菜を食べることが大切なのでしょうか。
ビタミンやミネラルが摂れるから?
確かに間違いではありませんが、野菜を摂る理由として代表的なものには下記があります。
・しっかりよく噛むことができる
・食物繊維を含むものが多い
・低カロリーのものが多い
これらがなぜ良いかというと、血糖値の上昇を抑える、腸内環境を整える、余計な脂肪を排出させる、満腹感を与えるといった働きがあるためで、野菜を摂ることが必要とされています。
野菜があまり摂れないサラダ
コンビニやスーパーには、いろいろな種類の野菜が数多く並んでいます。ツナサラダやポテトサラダ、マカロニサラダ、パスタサラダといったものは、野菜が少なめで芋類や小麦類が多いので、食物繊維より糖質が多いサラダです。そのため期待する野菜の働きは、これらのサラダでは難しく、その反対で血糖値を上げやすく、脂肪を蓄えやすくなる恐れがあります。葉野菜や根菜類がしっかり入っているか、確認するといいですね。
野菜が1食分として十分摂れる料理
野菜は1日350g以上摂ることが推奨されています。1食当たりでは生野菜両手1杯分、茹で野菜なら片手1杯分です。コールスローは、野菜が少ないように見えますがしんなりしているだけで、150gほどのキャベツや人参が使われています。同様にごぼうサラダも1食分の野菜が使われているものが多くあります。また、キャベツやブロッコリーなど温野菜が多いポトフ、具材の多いちゃんぽんなどを選ぶのもいいですね。
コンビニなどで袋入りで販売されているキャベツの千切りやカット野菜などは100円ほどの価格で、1食分の120g近く入っています。これを味噌汁に加えたり、サラダチキンと混ぜたり、牛丼の上にのせたりすれば、ドレッシングがなくても美味しく食べられるのでオススメです。
野菜が摂れないときに食べたい代替品
どうしても野菜が手に入らない、苦手で食べられないということもあると思います。そんなときは別の食品で代用しましょう。
・食物繊維の多い食品類
わかめ、昆布といった海藻類やきくらげ、えのきといったキノコ類など、野菜以外にも食物繊維の多い食品はほかにもあります。もずくやめかぶなどは1パックで販売されているので、毎食1個つける、スープに乾燥海藻を入れる、といった工夫をするのもオススメです。
・ヨーグルト
ヨーグルトはデザートのイメージがありますが、食前に食べることで血糖値上昇を抑制できます。特にヨーグルトの主成分であるカルシウムは空腹時のほうが吸収がよいので、食前に食べれば一石二鳥ですね。
・味噌汁
味噌汁の出汁に含まれる旨味成分(グルタミン酸、イノシン酸)は、満腹感を感じやすくさせる働きがあります。温かい味噌汁を食前に飲んで喉を潤すことで消化管が温まり、食べたものの消化を促します。また、食後に飲むことで食事に満足感を与え、食べ過ぎを防ぐことができます。
最近は「1/2日分の野菜が摂れる」といったサラダやスープ、お弁当なども多くありますので、そういったものを意識的に選ぶようにするのもよいですね。また、肉や魚、卵などたんぱく質は、満腹感を感じやすい食品です。
ダイエットのためにと「おにぎり1個」ではなく、「おにぎり1個、ゆで卵、味噌汁、ヨーグルト」を選んだほうが、体にはオススメです。賢い食品選びでメタボ予防をしていきましょう。
(文=望月理恵子/健康検定協会理事長、管理栄養士)