マクドナルドの「月見バーガー」を筆頭に、毎年秋の名物として期間限定で発売される“月見系バーガー”。たまごの黄身を月に見立て日本ならではの季節感を取り入れた月見系バーガーは、1991年にマクドナルドで誕生して以来、毎年9月頃に期間限定メニューの定番としてファストフードチェーン各社などで発売されている。
今年は、マクドナルドは9月7日から「月見バーガー」シリーズを販売開始しており、コメダ珈琲店も同日から「フルムーンバーガー」を販売。ケンタッキーフライドチキンは先行して8月31日より「とろ~り月見サンド」シリーズを販売している。また、ロッテリアでも9月8日から「とろ~り半熟月見」シリーズ、モスバーガーでも9月14日から「月見フォカッチャ」が販売となるなど、月見系バーガーの販売競争が繰り広げられる。
そこで今回は、マクドナルドの「月見バーガー」、ケンタッキーの「とろ~り月見和風カツサンド」、コメダの「フルムーンバーガー」の3チェーンの月見系バーガーを徹底比較。味はもちろん、大きさと値段からコスパの良さなども比較しながらレビューしていきたい。
大きさ比較:コメダは他2社とサイズが段違い
マックの月見バーガーはバンズにビーフパティ、たまご、ベーコンなどを挟んで360円(税込、以下同)。
ケンタッキーのとろ~り月見和風カツサンドはバンズにチキンカツ、目玉焼き風オムレツ、千切りキャベツなどを挟んで460円。
コメダのフルムーンバーガーはバンズにハンバーグ、エッグオムレツ、レタス、チーズなどを挟んで720円~790円(店舗により異なる)。
それぞれテイクアウトで購入した。
値段だけで比較すると、コメダがマックの2倍以上の価格となっており、段違いである。続いて大きさを比較してみよう。袋や容器に入った状態でもわかるように、フルムーンバーガーが一番大きいことは一目瞭然だ。
(写真は左からケンタッキーのとろ~り月見和風カツサンド、マックの月見バーガー、コメダのフルムーンバーガー、以下同)
いざ中身を見てみると、コメダのフルムーンバーガーが圧倒的な大きさを誇り、ケンタッキーのとろ~り月見和風カツサンドは分厚いカツの影響で高さが出ていることから、このなかではマクドナルドの月見バーガーがやや小ぶりな印象を受ける。
コメダはフルムーンバーガー一品のみで一食を想定しており、マックやケンタッキーは他にもサイドメニューがあり、ハンバーガーとセットで注文できるという背景があることから、やや小ぶりに設定されているのかもしれない。とはいえ、月見バーガーは並べると小ぶりに見えるというだけで決して小さいということはなく、こぶし大くらいの一般的なハンバーガーのサイズである。
横から比べると、月見バーガーはたまご部分、とろ~り月見和風カツサンドはカツ、フルムーンバーガーは主にハンバーグやレタスの具材の主張が強く、それぞれのチェーンで推している食材の違いがあるように感じた。
具材比較:各社たまごの出し方にこだわり
ここからはディテールを確認していきたい。
まず上部分のバンズを比べると、小さいほうから和風カツサンド、月見バーガー、フルムーンバーガーの順で大きさの差がある。厚さはとろ~り月見和風カツサンドと月見バーガーがほぼ同等、それに対しフルムーンバーガーが約2倍強の差があるといったところか。
次は具材を確認していこう。上部分のバンズを取り外してみると、たまご、ベーコン、キャベツとそれぞれ最初に目に入ってくるのは違う具材であったため、入っている具材や挟む順番は三者三様のようだ。
月見バーガーは野菜がほぼ入っていないのに対し、とろ~り月見和風カツサンドは千切りキャベツ、フルムーンバーガーはレタスが入っているため、野菜ありきでハンバーガーを味わいたい方は、月見バーガーは少し物足りなく感じるかもしれない。
続いては、それぞれのバーガーを半分にカットして、断面を確認してみた。
ここで改めて目を引かれたのは、やはりフルムーンバーガーのデカさ。ハンバーグの分厚さと黄身がトロッとこぼれていく様が、より食欲を搔き立てる。
フルムーンバーガーと比べると他2つのバーガーは小さく感じてしまうが、月見バーガーのたまごは3つのバーガーのなかでは一番分厚く、とろ~り月見和風カツサンドはカツがかなり分厚いことから、それぞれ売りにしている食材を目立たせているのだろう。
味比較:マックは王道、他2社は個性的な路線
中身を一通り確認したところで実際に食べていこう。
マックの月見バーガーは、分厚いたまごをベーコンとビーフパティで挟んでいて肉々しさを感じ、トマトクリーミーソースが月見部分と絶妙にマッチしていて、まさに月見系バーガーの王道と思える味である。
続いてケンタッキーのとろ~り月見和風カツサンドは、キャベツのシャキシャキとした食感が良く、商品名通り黄身はとろ~りと溶け、甘めの和風ソースが絡むことで非常にまろやかな味わいであった。バンズは月見バーガーよりもふわっとした食感で、分厚いカツもかなりボリューミーで柔らかく、噛むとジューシーさも味わえて想像以上に食べ応えを感じた。
最後にコメダのフルムーンバーガーを食べたが、分厚いハンバーグに濃厚なチーズと黄身のコクが合わさって非常に美味で、ソースにはオニオンのみじん切りなども加えられていて、オニオンのシャキシャキとした食感がいいアクセントとなっていた。さらにレタスが入っていることで重すぎず最後まで爽やかな口当たりである。バンズはふんわりとしたなかに、もっちりとした食感もあり、見た目通りボリューム満点。3つのハンバーガーのなかでは一番食べ応え抜群で、一般的なハンバーガーの2倍以上と感じるレベルだった。
フルムーンバーガーはこれだけのボリュームだと、他2つのハンバーガーとの値段差も納得がいく。一般的なハンバーガーの相場と比較しても、この食べ応えで720円~790円は“神コスパ”といえるのではないだろうか。
月見バーガーより100円高いとろ~り月見和風カツサンドも、ワンコイン以下でこのカツの質の高さと食べ応えを楽しめるのは、コスパ的にもお得感のあるメニューだろう。
マックには月見バーガー以外にも、「こく旨 すき焼き月見」(440円)という今年初登場のメニューがあり、スタンダードな月見バーガーの味わいに加えて牛肉と野菜の旨味を感じることができる。それ以外にもパイやマフィンを使った月見シリーズや、ケンタッキーではとろ~り月見サンドを具材違いで4種類取り揃えているため、気になる方はチェックしてみてほしい。
いかがだっただろうか。秋の訪れを感じる月見系バーガーは、それぞれ店によってこだわりや味が異なっている。そのこだわりを比較して楽しんだり、自身の好みに合わせて食べてみたりして、今季の月見系バーガーを存分に味わっていただきたい。
(文・取材=A4studio)