と、ここまではいいのだが、モバイルバッテリーメーカーやUSB規格、さらにはスマホのCPUメーカー、その他もろもろが独自の急速充電規格を出し始めてしまったため、2017~2018年は急速充電規格の混乱の渦中にあった。
乱立する規格のなかでも有望視されているのは、スマホのCPUメーカー「Qualcomm」(クアルコム)の「QuickCharge3.0」(QC3.0)と、パソコンでおなじみUSB規格の「USB PD」という急速充電だ。
QC3.0に対応したスマホとQuickCharge3.0に対応したケーブル、そしてQC 3.0に対応したUSB ACアダプターやモバイルバッテリーであれば、急速充電が可能だ。そしてQC 2.0や1.0といった過去の少し遅い充電方式も、上位のバージョンと接続できる。実にわかりやすい規格になっている。
一方、USB PDは現在バージョン2.0が主流だが、USBにはコネクター形状の規格やデータ転送に関する規格、充電に関する規格などがあり、これらがゴッチャになり混乱を招いてしまっている。数年後には、USB PD 3.0が主流になり、QuickChargeもバージョンを上げた4.0で両者統合されていく見込みだが、それまではQC3.0にしておくのがベストだろう。これはあくまでもモバイルバッテリーを長年見てきた筆者の“読み”だが……。
もちろんUSB PDは、規格を正しく理解して使えば便利に急速充電できる。USB PD規格自体に問題はないのだが、わざわざ勉強しなくても「サッと対応機器を買って、すぐに充電できる」という、情報整理が求められている。
少し長くなってしまったが、ここで紹介しているモバイルバッテリはQC3.0に対応したもので、USB PDには非対応となっている。
QuickCharge3.0対応のスマホは以外とたくさんある
Qualcommが発表しているQuickChargeに対応しているスマホは、以下の通りとなっている。以下はQualcomm社の「Quick Charge Device List」2018年12月3日版となっている。
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