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渡邉哲也「よくわかる経済のしくみ」

「社会保障がない」中国、株・不動産暴落&倒産ラッシュが始まった!

文=渡邉哲也/経済評論家

 例えば、ある物件を5万円の家賃で人に貸したとする。年間の家賃収入は60万円だ。その物件の価格が1000万円の場合、年利は6%ということになる。しかし、3000万円の場合は年利2%だ。これでは、中国の平均借入金利のほうが高い。つまり、今は多額のお金を借りて不動産を購入して投資に回しても、完全な逆ざや状態になってしまっているのだ。

 言い換えれば、中国の不動産価格は上限に達している。そんな中で起きたのが、今回の株式バブルであった。中国の株価は1年間で約2.5倍、年初からの上昇率60%という異常な上昇を見せた。これは、ほかの市場から逃げてきた投資資金が、株式市場に一極集中したからである。

 また、この株式市場拡大の背景には「政府の方針として、株価の高値を維持する政策をとるだろう」という、人々の期待もあった。ところが、株価の上昇も限界に達した。

 中国の株価収益率(PER)は、銀行などの金融業種を除くと、約40倍にまで上昇していた。一般的に、PERの数値は高いほうが割高とされる。配当などを考えた場合、これでは株式投資も逆ざや状態になる可能性が高く、このような状態で株価が上昇し続けるのはありえない。そこでバブルがはじけたのは、必然の結果といえる。
(文=渡邉哲也/経済評論家)

渡邉哲也/経済評論家

渡邉哲也/経済評論家

作家・経済評論家。1969年生まれ。
日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務し独立。複数の企業を経営、内外の政治経済のリサーチや分析に定評があり、政策立案の支援、雑誌の企画監修、テレビ出演等幅広く活動しベストセラー多数、専門は国際経済から金融、経済安全保障まで多岐にわたり、100作以上の著作を刊行している。

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