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例えば、ある物件を5万円の家賃で人に貸したとする。年間の家賃収入は60万円だ。その物件の価格が1000万円の場合、年利は6%ということになる。しかし、3000万円の場合は年利2%だ。これでは、中国の平均借入金利のほうが高い。つまり、今は多額のお金を借りて不動産を購入して投資に回しても、完全な逆ざや状態になってしまっているのだ。
言い換えれば、中国の不動産価格は上限に達している。そんな中で起きたのが、今回の株式バブルであった。中国の株価は1年間で約2.5倍、年初からの上昇率60%という異常な上昇を見せた。これは、ほかの市場から逃げてきた投資資金が、株式市場に一極集中したからである。
また、この株式市場拡大の背景には「政府の方針として、株価の高値を維持する政策をとるだろう」という、人々の期待もあった。ところが、株価の上昇も限界に達した。
中国の株価収益率(PER)は、銀行などの金融業種を除くと、約40倍にまで上昇していた。一般的に、PERの数値は高いほうが割高とされる。配当などを考えた場合、これでは株式投資も逆ざや状態になる可能性が高く、このような状態で株価が上昇し続けるのはありえない。そこでバブルがはじけたのは、必然の結果といえる。
(文=渡邉哲也/経済評論家)
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