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清原和博容疑者、覚せい剤で精神異常か…なんでも操れる高揚感や幻覚のおそれ

構成=編集部、協力=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士
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 メタンフェタミンは無臭の結晶で水に溶けやすい性質がある、いわゆる「シャブ」です。ほかにも精製の度合いによって「クリスタル」「アイス」などとも呼ばれています。

 メタンフェタミンは1941年ごろ「ヒロポン」などの販売名で発売され、第二次世界大戦時には軍需工場の労働者が徹夜作業を行う際に服用していたといわれています。戦後、大量の覚せい剤が民間に放出され、敗戦の虚無感もあり享楽の手段として乱用されました。54年には史上最高の5万5000人が検挙された記録があります。

【覚せい剤を使用すると、どんな状態になるか】

 覚せい剤を使用すると、なんでも自分の思いのままに操れるような高揚した気分になります。まるで超人になったような強烈なバイタリティーを感じ、食欲や睡眠欲がなくなります。食事をしなくても空腹を感じないので若い女性がダイエットのために気軽に手を出してしまったり、眠気を感じなくなるので多忙な人が睡眠時間を削って働くために使用するといったケースも生じます。

 初めて使った人のなかには、思っていたようなすごい高揚感ではなく「こんなものか」という感想を持つ人も多いようです。「少し気持ちがスッとした」という程度で、これならすぐやめられると思うようです。だからこそ、また安易に手を出してしまうのです。

【どのような副作用があるか】

 薬の効果が薄れるにつれ、気分が落ち込み、不安と狼狽、混乱が一気に押し寄せます。乱用を続けると、高揚感と混乱を繰り返すことになるため、ひどい疲労感といらいらに襲われ、それから逃れるためにまた覚せい剤に手を出すことになります。

 そのうち慢性的な精神症状として、幻聴、幻視、幻臭など五感に異常が現れます。続いて妄想、不安、不眠、鬱へと移行してゆきます。さらにこの頃になると、覚せい剤を摂取していないにもかかわらず、使用時と同様の感覚がよみがえったり、禁断症状のように突然不安感や幻覚に襲われるようにもなります。これを「フラッシュバック」といい、薬物をやめても精神に異常を来す原因となっています。

 覚せい剤を使用したときの身体的変化としては、心拍数、呼吸回数、血圧の上昇、瞳孔の散大、食欲減退などがあります。乱用者は発汗、頭痛、かすみ目、めまい、不眠、不安なども経験します。非常に多い分量を使用すると心拍数が急激に高まったり、拍動が不規則になったり、ふるえの発作や手足の筋肉の働きのアンバランスを生じたり、さらには身体的虚脱状態に陥ることもあります。

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