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清原和博容疑者、覚せい剤で精神異常か…なんでも操れる高揚感や幻覚のおそれ

構成=編集部、協力=宇多川久美子/薬剤師・栄養学博士
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 条件反射を抑制するための訓練としては、「条件反射制御法」があります。

・第1ステージ:キーワードアクション

 これから覚せい剤を使用しない時間が続くのだという負の条件反射を設定する

・第2ステージ:疑似摂取

 疑似注射器を使って覚せい剤摂取のマネをしながら、体には快感がないという経験を積み上げていく

・第3ステージ:想像

 自分が覚せい剤を使用していた典型的な一日を詳細に作文に書いて、それを読み、あえて自分自身を覚せい剤の渇望を引き起こす刺激にさらす

・第4ステージ:維持

 これまでの条件反射制御法による治療を定着させ、維持していく

 このように、少しずつステップアップしながら治療していくのですが、患者一人で持続することは困難なのが現状です。持続させるためには、これらを体系的に習得させてくれる医療施設や相談所に通い続けることも必要ですし、薬物依存症リハビリ施設のダルク(Drug Addiction Rehabilitation Center)や薬物依存からの快復を目指す者たちの集まりであるNA(Narcotics Anonymous)などの自助活動に参加し続けながら、薬物を使わない生活と新しい仲間をつくることが大切です。

 覚せい剤をやめるためには、受け入れてくれる弁護士、精神科医、支援団体などとの連携、そして本人の強い意志が必要です。

【治療後はどうなるか】

 多くの場合、覚せい剤を周期的に使用して2~3カ月たつと、幻覚、被害妄想などの病的症状が出てきます。覚せい剤による精神病は発病後、早期に治療すれば比較的容易に治りますが、すぐ治療に結びつかないことがほとんどなので、長期間使い続けることで幻覚などが慢性化・固定化してしまい、完全に治すのは非常に困難となります。

 また、早期に治療して治った場合でも、覚せい剤の反復使用による脳内の変化は持続していて、症状が再燃する可能性はとても高いのです。一度、幻覚・妄想などの症状が出てしまうと、その後は治療によって治っても、覚せい剤を少量再使用しただけで以前と同程度の症状が容易に再燃し、時には覚せい剤を使用しなくても、大量の飲酒や心理的なストレスが契機となって、精神病の症状が容易に再燃するフラッシュバックが起こります。

 このように、薬物の乱用の害は半永久的に続きます。治療によって表面上は回復しているかにみえても、精神異常が再び起こりやすい下地はずっと残ってしまうのです。

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