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渡邉哲也「よくわかる経済のしくみ」

安倍首相「消費増税なければ、アベノミクスはうまくいっていた」「失敗であった」

文=渡邉哲也/経済評論家

 さらに、日本は今年、もうひとつ国際的かつ大きな政治日程を抱えている。それは、5月26、27日に三重県で行われる第42回主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)だ。当然ながら、政治的な空白を生んでしまうため、サミット期間中は選挙を行うことができない。

 また、サミット開催前には政治的に安定した体制を見せておかないと、日本は国際社会から批判の的になってしまう。そういった事情を鑑みた時、まず「サミットの2週間程度前には、選挙を終わらせておく」という選択肢がある。つまり、電撃的な「4月に衆議院解散→総選挙」という流れだ。

 あるいは、サミット開催後に選挙を行うという選択肢である。この場合、前述した衆参ダブル選挙という構図になるわけだ。より具体的な、消費税増税延期と選挙をめぐる政府と財務省の駆け引きについては、次稿で詳しく述べることとしたい。
(文=渡邉哲也/経済評論家)

渡邉哲也/経済評論家

渡邉哲也/経済評論家

作家・経済評論家。1969年生まれ。
日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務し独立。複数の企業を経営、内外の政治経済のリサーチや分析に定評があり、政策立案の支援、雑誌の企画監修、テレビ出演等幅広く活動しベストセラー多数、専門は国際経済から金融、経済安全保障まで多岐にわたり、100作以上の著作を刊行している。

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