――自民党を離党した若狭勝氏と民進党を離党した細野豪志氏が中心となって動き、代表には東京都の小池百合子知事が就任した「希望の党」については。
鳩山 新党については、やはり小池知事の存在感や知名度なくしては大きな躍進は望めません。私は、小池知事には「できれば首相になりたい」という希望があると思っています。そのため、将来的に国政に復帰する可能性もあるのではないでしょうか。
ただ、私は小池知事の築地市場移転をめぐる対応については合点がいきません。どう考えても、汚染された土壌の上に生鮮食品を並べるというのは想像できないからです。一部の政党の勢力によって、現在のような対応になったと聞いていますが、今でも築地に戻ることを期待しています。
今は野党勢力が頼りないため、小池知事に期待する部分も大きいです。ただ、沖縄にとっては絶望しかありません。米軍基地の辺野古移設を決定した当時の防衛大臣が小池知事ですから。
「安倍政権の沖縄への姿勢は許しがたい」
――その沖縄については、国と県の対立が先鋭化しています。現在の状況をどう見ていますか。
鳩山 私は辺野古移設問題の責任を取るかたちで首相を辞任しましたが、「最低でも県外」という沖縄に寄り添う政治は、今でも正しいと考えています。その一方で、辺野古を埋め立て、自然環境を破壊している安倍政権、特に菅義偉官房長官の姿勢は、沖縄の意向をまったく無視しています。
――旧民主党政権下で川内博史議員(当時)はテニアン島の関係者と会い、「テニアン移設も十分に実現可能」との見解を示しました。「テニアン移設案を、もう少し慎重に検討していれば」という思いもあるのではないでしょうか。
鳩山 辺野古移設が唯一の案ではありません。テニアンやハワイなどの選択肢を考慮すれば、辺野古に大きな基地を建設する必要はないでしょう。確かにテニアン案をもう少し重視すればよかったのかもしれませんが、当時は時間的な問題もあって十分に検討できず、悔いが残っています。今からでも、テニアンやハワイなどの地域に移設するという案は検討されるべきだと思います。