【森友】安倍首相と財務省、国民に虚偽説明か…国有地払い下げ「不当」と国が認定
11月22日に会計検査院は森友学園への国有地払い下げの問題をめぐり、値下げ額の8億円の根拠が不十分だとして、参議院予算委員会理事会で報告した。今年3月、この問題について国会法に基づき参議院議長から会計検査院に(1)経緯、(2)価格算定の適正性、(3)行政文書の保管状況に関する検査依頼がなされ、それに対する報告であった。
払い下げが行われた土地に建設予定だった小学校は当初「安倍晋三記念小学校」という名称で、安倍晋三首相夫人の昭恵氏が名誉校長に就任していた。今回の会計検査院の報告により森友問題は、なぜ国有財産を不当に払い下げたのか、安倍首相夫妻はどのように関与していたのかを問うスタートラインについた。
10月下旬、東京新聞は1面トップで会計検査院が「値引き額が最大6億円過大」と算出していると報じていたが、筆者は11月8日付当サイト記事『【森友問題】値引き6億円過大、会計検査院が認定…実際はごみ存在せず、値引き自体不当』で、「最大6億円」ではなく「8億円の値下げ自体」が不当であると指摘した。
ところが11月9日、NHKに出演した会計検査院の河戸光彦院長は、この問題で財務省や国交省の責任を問うような明確な話を避けて、資料が入手できないことを理由に、問題を曖昧化する姿勢をみせた。この間、筆者らは多角的に調査活動を行い、国会議員から情報提供を受けたり、地方自治体への情報公開請求によって入手した各種公的資料や校舎建設工事の経過を追った木村真豊中市議撮影の写真などを手に入れ、8億円の値下げの根拠とされた2万トンの埋設ごみがなかった確証をつかんでいた。
その情報を会計検査院に提供するため、事前に立憲民主党森友・加計学園問題PTの川内博史衆院議員に会計検査院との面会の手配をお願いし、11月20日に市民6名が情報提供を行った。
翌21日に読売新聞は1面トップで『森友問題「8億円下げ<根拠不十分>国交省、国有地ごみ過大推計―会計検査院指摘」』というタイトルで、会計検査院がごみの撤去費用について積算に十分な根拠を確認できないとする検査結果をまとめる見通しだと報じ、売却に関わった財務省と国交省の責任を問うた。
会計検査院の報告を受けて、立憲民主党の福山哲郎幹事長は、「国会で安倍首相や財務省、国交省は適切な処理を行ってきたと説明してきたが、これまで野党の主張が正しかったことがわかった。この問題に特化した特別委員会を設け、国民が納得できる説明が必要だ」と語った。また、川内議員は、会計検査院の「適切とは認められない」との指摘について、「法律等に違反し、不当と認められる」という意味であることを担当者に確認した。