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朝日新聞販売所、ベトナム人留学生に違法就労強制…朝日奨学会、把握しつつ対応せず

文=出井康博/ジャーナリスト

朝日奨学会の無責任さ

 ホアン君らベトナム人奨学生の休日は週1日だけだ。一方、同じ朝日奨学会に採用された日本人奨学生は「隔週2日(4週6休)」の休みがある。奨学会自体もベトナム人と日本人の差別待遇を認めているわけだ。

 違法就労については、奨学会や朝日新聞とは関係ない「独立した企業」の問題だと突き放す。販売所で不祥事が起きると、「取引先の問題」と突き放すのは新聞社の常套手段である。だが、ホアン君らは奨学会に採用されて来日している。単に販売所に法律を守るよう「呼びかけ」、あとは知らん顔ではあまりにも無責任だ。

「外国人奨学生から相談があった場合は、奨学会として真摯に対応しています」というのは嘘である。ホアン君らは奨学会に対し、自転車での配達や違法就労に関してすでに相談をもちかけている。だが、まったく対応がなされていないのだ。

「週28時間以内」を超える留学生の就労は、入管難民法違反で警察の摘発対象となる。3月にも、有名ラーメンチェーン「一蘭」で社長らが書類送検されてニュースとなった。

 新聞販売所のケースは「一蘭」よりも悪質だ。留学生に違法就労させたうえに残業代も払わず、労働基準法にも違反している。新聞配達現場のベトナム人たちは、いつまで理不尽な状況に耐えなければならないのだろうか。
(文=出井康博/ジャーナリスト)

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