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【森友偽装写真Ⅱ】

【森友問題】財務省、第2の改ざん事件か…埋設ごみの試掘写真に次々と偽造が発覚

文=青木泰/環境ジャーナリスト
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 このように写真(3)と写真(16)、写真(4)と写真(17)との比較でみても同じ場所を撮影した写真であり、別の場所の写真として説明されていたことは偽りであった。“第2の改ざん事件”といえる。

 もともとこの写真は、学園用地の深部に埋設ごみが存在することを証拠立てる写真であり、表2の経過で見ても、3月11日に業者による杭打ち工事中に新たな埋設ごみが見つかったという報告を受け、3月14日に現場に立ち会い、国のほうから業者に試掘を指示して行われた試掘と、その立証のために写真撮影したものであった。

 しかし、この同一の場所の写真を2カ所の写真と見せるという偽装行為を見ても、深部に埋設ごみがあったという資料としての価値を欠いているといえる。国会での答弁では、業者が作成したものであり、疑問点は業者に尋ねると答えているが、説明資料でも17枚写真資料は、近畿財務局の職員が16年3月30日に撮影したと説明されてきていた。職員が行ったことは隠しようがなく、業者のせいにするというのは、財務省担当者による責任逃れでしかない。この改ざんについての事実認定とその責任、釈明は不可欠となる。

【森友問題】財務省、第2の改ざん事件か…埋設ごみの試掘写真に次々と偽造が発覚の画像2写真3 17枚写真の全体写真

写真に基礎杭など、あるはずのものが“ない”

 さらに小川議員は、2016年3月11日の杭打ちの過程で埋設ごみが見つかったというのならば、3月30日の写真に写っている用地に校舎建設用の基礎杭の写真がないのはおかしいと指摘する。写真3は17枚写真資料の全体写真であり、これは2017年に財務省から提出された「説明資料」に入っていた。同年2月27日に提出されたこの全体写真は、A4の大きさの写真で、その後野党議員の求めに応じて、1枚の写真がA4の大きさの拡大カラー版で提出された。

 確かに、この17枚写真に写っている同用地のどこを見ても、杭が打たれた様子がない。基礎杭を打つ工事は、土壌が軟弱基盤であったため、杭の頭頂部の面積が0.8平方mで長さ9.9mの杭を382本、校舎と体育館の建屋敷地に、基礎杭として打つ計画になっていた。

 杭打ち途中で埋設ごみを見つけたということであり、3月30日の試掘の段階では、杭打ち中のものが、土地の表面に頭を出しているはずであり、何よりも基礎杭を打つ前には、その部分の敷地は基礎工事のために約1m弱掘り下げ、基礎杭の頭の部分と鉄筋を絡ませて、生コンを流して一体化する。その掘り下げが、写真からは見ることができない。

 問題は杭だけではない。8カ所を試掘し、その試掘穴から掘り出した埋設ごみの様子を撮影したということになっていたが、その試掘穴が、17枚写真資料では写真(1)の1カ所しか映っていない。ほかの写真には、掘り出したとする埋設ごみの山積みの様子が写っているものの、掘り出したはずの掘削穴は写っていないのである。この点も小川議員から指摘があった。通常この種の試掘では、ユンボを使って掘削するため、掘り出した掘削土砂は、ユンボが届くすぐ横に積み上げられていく。ところが埋設ごみが積み上げられている周辺に掘削穴が無いのである。写真の様子から見ると、別の場所から埋設ごみをトラックで運んで来て、そのまま降ろしたような格好となっていた。

17枚写真資料は証拠能力に欠けている

 このように17枚写真資料では、同一の場所を撮影した写真を別々の場所の写真とする偽装のほか、基礎杭の杭打ちや基礎のための掘り下げた様子がなく、掘削穴もみえず、公的資料としてはとても使い物にならないという問題点が明らかになった。

 昨年の国会でも、物証としてあまりにひどい写真資料であるため、森友学園用地から掘削し、なおかつ3m以深から掘り出したことを明らかにする写真資料の提出が、野党から求められた。その上で出されたのが「21枚写真資料」である。「17枚写真資料」に続き、「21枚写真資料」が期待に応えたものであったかは、次回の続編で見たい。
(文=青木泰/環境ジャーナリスト) 

※「森友写真偽装3」へ続く

※1:「平成21年度大阪国際空港豊中市場外用地(野田地区)地下構造物状況調査業務 報告書(0A301)」「平成22年1月国土交通省大阪航空局 大和探索技術株式会社」
※2:「平成23年度大阪国際空港場外用地(0A301) 土壌汚染深度方向調査業務報告書(12年2月)
※3:『森友 ごみは無いのになぜ8億円の値引き』(イマジン出版)
※4:100分の1の埋設ごみも、種類は「新築系混合廃棄物」と書かれてあった。つまり、校舎建設に伴って、排出された建設材料の包装材料や、建築にあたって出た端材である。これらは、地中から掘り出されたごみでない。そのため土地の払い下げにあたっての値引きの根拠とはならない。

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