TRCに近いとされる、ある市議会関係者ですら、今回のTRCの提携継続をこう批判する。
「3年前、あれだけ批判したのに、今回黙ってCCCとのJVを継続するとは、おそらく裏で会社同士が話し合ったのだと思いますが、それでよかったのか、TRCのブランドはどうなるのか、(図書館運営専門企業としての)プライドはないのかと言いたいですね」
そこで、引き続き海老名市で指定管理者に選定されたことについてTRC広報部に問い合わせると、「議会で正式に議決されるまではコメントは差し控えたい」としたうえで、「CCCとのJVを解消せずに応募したのはなぜか」との質問には、こう回答した。
「(CCCとのJVで応募して、選定されたのは)事実です。この形が、海老名市さんが求める図書館運営を実現するのに最適だと考えたからです」
また、3年前に石井社長が「今後、CCCと一緒にやることはない」と宣言した件については、「ほかの自治体ではという意味なので、特に矛盾はしていない」との見解を示した。
CCCありきの選定か
海老名市の関係者は、今回の結果をどう受け止めているのだろうか。
まず、市議会の最大会派である創志会(市長派)の代表・森下賢人議員に話を聞いてみると、驚くほど淡々としていた。
「(会派のなかで今回の選定結果について)異論? ああ、それはなかったですね。指定管理に出していますので、われわれ議員は、民の仕事にあれこれ口を出すべきではありませんので。選定結果については、行政が決めたことですから、議会に議案として出れば議論はしますけど、それまではわれわれ議員がどうのこうの言う立場にはないです。CCCを選定するなとの陳情が市民団体から出されたことがありましたが、違法行為がない限り、議会で詳しく検討することもありません。議員は裁く立場ではありませんので」
このように、あくまで議員としての立場を強調する。
今回、3年前に離脱表明していたTRCがCCCと提携を解消せず、これまで通りJVで応募してきたことについて、「もやもやする気持ちはなかったか」との質問に対しては「なきにしもあらず」と率直に認めたものの、「いろいろ噂はありますが、本当のところはわかりません」とかわし、「この3年の間に、両社の話し合いで、何か進展があったのではないですか」と、意味深長な感想を漏らすにとどめた。
一方、3年前の新装開館時から、一貫して海老名市議会でCCCの不適切な運営を批判し続けてきた山口良樹議員は、こう憤慨する。