一昨年12月、南海和歌山市駅前にできる新しい市民図書館の指定管理者にCCCが選定された。筆者は昨年4月、その不可解な決定プロセスを調べるため、和歌山市に対して「駅前再開発プロジェクトについて南海電鉄と話し合った内容がわかるすべての文書」を開示請求した。
その顛末は、18年9月12日付当サイト記事『和歌山市、ツタヤ図書館に64億円税金投入…関連文書の情報開示請求に全面黒塗りで回答』で報じた通り。ダンボール1箱分・約1400枚の文書が昨年7月に開示されたが、文書の97%が黒塗りされていて、肝心なことは何もわからなかった。
わずかに残された白い部分を詳しく分析した結果、筆者が真っ先に疑問に感じたのは、この会議が始まった翌月から出席しているRIAがどのようにして選定されたかだった。
その点を、和歌山市と南海電鉄に問い合わせても、納得の行く回答は得られなかった。開示請求しても黒塗りばかりだが、和歌山市のルールでは、市外在住者は開示された文書に対し不服の申し立てすらできない。
そこで、和歌山市内で活動する市民団体のメンバーに相談したところ、筆者と同じ問題意識を持っていただき、開示請求の結果、冒頭で紹介したような文書が出てきたという経緯である。
情報を隠そうとする和歌山市
一方、市民からこの件で相談を受けていた林議員は、もともと図書館問題に理解があったこともあり、開示請求前に担当部署に問い合わせていた。
「和歌山市民の開示請求ということは、もし非開示になれば審査請求を経て住民訴訟に発展する可能性もあるため、そのへんを事前に担当部署にクギを刺して、適切に開示するように要請しました」(林議員)
ところが、そうした働きかけにもかかわらず、昨年12月17日に出てきた文書の中身は、冒頭で説明した通り、日付や署名すらない、実に怪しい公文書だったのだ。林議員は、こう振り返る。
「ちょうど4年前に、和歌山からの佐賀県武雄市視察にもRIAが同行していたことが報道されていたので、これは談合ではないかとの疑いが湧きました。『出さないと公取委に告発しますよ』と言ったところ、担当課長が南海電鉄に問い合わせてくれましたが、結局、これ以上は出ないという結論でした」