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ツタヤTV、虚偽広告で巨額利益計上…ツタヤ図書館と共通する実態乖離のイメージ宣伝商法

文=日向咲嗣/ジャーナリスト
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 消費者庁によれば、この段階でも弁明の機会は設けられたうえで、課徴金の算定根拠となる売上額は、事業者から報告を受けるという。そのため、事業者側が粘り強く交渉したりすれば、数カ月判断が延びることもあるようだ。

 ちなみに、課徴金は「対象行為にかかわる売上額の3%」とされていることから、逆算すれば、同社がこの不正行為によって得た売り上げは、39億1766万円と推定される。

TSUTAYAの不正とツタヤ図書館の共通点

 ある図書館関係者は、TSUTAYAレンタル事業の不祥事の根っこにあるのは、実態とかけ離れたイメージ先行の宣伝手法であり、それは同社が運営する「ツタヤ図書館」で起きた事件にも通じると指摘する。

「CCCは本業のレンタル部門でも、あちこちの図書館で行った『くず本』購入と同じことをやっているように見えます。それは、古い低価格のコンテンツを、新しいものも入っているように見せかけて、売っていたようなところです。課徴金は売上額のわずか3%ですから、これでは“騙し得”ではないでしょうか」

 確かに「もし発覚しても売上高の3%を払えばいい」と開き直り、法律違反を犯してでも、派手に宣伝して“客を集めたもん勝ち”と考える私企業が次々と出てくるのは、防ぎようがないのかもしれない。しかし、それが公務を受託して税金から補助金をもらう企業となれば、責任の重さはまるで違ってくる。

 CCCは、各地の公共図書館の運営においても、違法スレスレの行為に手を染めている。とりわけ、15年9月に発覚した佐賀県武雄市の“古本騒動”は、まだ記憶に新しい。

 武雄市図書館が13年に新装開館する際、運営を受託したCCCが、追加蔵書として2万冊を1958万円で購入するとして予算を計上していたが、実際に購入したのは756万円分だったことが発覚した。差額の1200万円については、「館内の安全対策に使った」とあとから釈明したが、同社が自らの利益にするつもりだったのではないかとの疑念の声が多くあがった。

 さらに、開示された選書リストを見ると、当時CCCの傘下にあった古本専門業者が大量に扱うような中古本ばかりだった。10年以上前の資格ガイドブック、ウインドウズ98の解説本をはじめ、佐賀県の図書館での必要性が疑問視される埼玉ラーメンマップや浦和レッズの応援本なども含まれていたことが話題になった。

 同様の古本騒動は、その後に新装開館した神奈川県海老名市や宮城県多賀城市の図書館でも起きた。そのため、CCCは「図書館にとっての基本機能をないがしろにしている」と批判する図書館関係者も少なくない。

ツタヤ図書館でも“優良誤認”か

 CCCが指定管理者となって運営している図書館についてアピールする際、「来館者数」や「市民アンケート調査結果」「運営経費削減効果」などが用いられるが、これらについても“優良誤認”が疑われる要素が多い。

 たとえば、ツタヤ図書館の嚆矢である武雄市図書館・歴史資料館では、新装開館の初年度に来館者数が92万人に達したと報じられたが、専門家のなかには、その数字に疑義を呈する人が少なくない。

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