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ヤフーが検索結果の「見せる」「見せない」を判断することへの違和感と懸念点

文=山岸純/AVANCE LEGAL GROUPパートナー弁護士
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 この時、もしも、どこかの誰かが、どこかのウェブページに、筆者の住所や家族関係、過去の犯罪歴などを記載していた場合、「山岸純」と検索するだけで、そのウェブページのスニペットも表示されてしまいますので、当然、その内容も知られてしまうわけです。

 もし、インターネット検索サービスがなかったならば、筆者の個人的な情報が記載された「誰かが作成したどこかのウェブページ」を見るためには、インターネット・ブラウザのアドレスバーに、そのページのURLを正確に入力しなければなりませんので、URLを知らない人の目にさらされることはありません。

 しかし、現実には検索サービスによって、個人的な情報が簡単に万人の目に触れてしまうのです。

 そのため今回、ヤフーは、

(1)このような個人的な情報については、当人から要求があった場合、スニペットを表示しないこととします
(2)さらに、個人的な情報が記載された「誰かが作成したどこかのウェブページ」について、裁判所が「削除せよ」との判決を出しているなどの場合には、スニペットだけでなく、そのウェブページ自体を検索結果に表示しません

としたのです。
 
 もちろん、ヤフーは個人的な情報が記載されているページについて、すべて非表示に応じるというわけではないようです。

 まず、その情報が政治家や著名人のものである場合、一般人であっても前科や過去の逮捕歴、懲戒処分などの処分歴の場合は、非表示の要求には応じないという方針で考え、その情報が未成年者のものである場合、身体的なことやいじめ被害などの過去の被害に関する情報の場合は、非表示の要求に応じる方針のようです。

 ここまでが今般のヤフーの発表内容です。しかし、筆者は、この発表に違和感を覚えずにはいられません。一見すると、「ヤフー検索で非表示とする場合について公明正大な基準を定めました」と聞こえ、個人的な情報をウェブ上でさらされてしまった被害者の救済につながることをアピールしているようです。

基準を民間企業が独自に設定することに対する違和感

 しかし、その本質は、検索結果を表示する・表示しないの判断、すなわち、「世界中のウェブページを見せる・見せない」の判断を民間企業であるヤフーが、同社独自の基準で行いますと言っているように思えます。

 インターネットが、「情報媒体」として世界に広く開かれたツールであることは自明ですが、インターネット検索サービスを提供している民間企業が、あるウェブページについて「見せる・見せない」の判断をするのは、とても違和感を覚えます。

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