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ロスチャイルドが世界支配?経済危機の元凶は?陰謀論を真面目に検証してみた

構成=編集部
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権力を操る企業と、権力を握る政府の共謀を見抜く

–では、どうしたらいいのでしょうか。

野口 本書に着手した時点で、その問いにたどり着くことは必然だったのでしょう。ロスチャイルド伝説の検証から始まり、「では、どうしたらいいのか」の答えにたどり着くまでに、400ページ以上を要しました。

 ずさんな陰謀論者がお金について論じる際、その背後には単純な善悪二分論が見え隠れします。「政府は善、私企業は悪」という思考です。通貨発行権を政府に移せばすべてがうまくいくかのように主張するのは、意識しているかどうかは別として、政府を無条件に善だと考えて信頼するからです。しかし、これはあまりにも無邪気な態度といわざるを得ません。

–強欲なグローバル企業が世界を滅ぼす、という意見も聞かれます。

野口 確かに、過去や現在において大企業が強い政治力を持ち、それを利用して自分たちの利益を上げてきたことは事実です。政府の規制に守られ、割高な商品を売りつけたり、劣悪なサービスを無理に使わせたりして、本来ならとっくに市場から淘汰されるべき大企業がゾンビのように生き残っていたりします。

 そうしたことが可能なのも、権力を持つ政府が協力するからです。つまり、政府が協力しなければ、私企業は影響力を行使したくてもできない。一部の大企業は不公正な利益を得るために権力を操るけれど、権力を握っているのは政府です。本書によって、世界金融の本当の正体に最終決着がついたかどうか、「陰謀論」と聞いて眉をひそめる方にこそ、一読いただき、判断していただければと思っています。
(構成=編集部)

●野口英明(のぐちひであき)
マネー陰謀論を研究する会代表。1969年生まれ、東京都出身。学習院大学法学部卒業後、石油化学メーカーに入社。高機能性樹脂の開発営業に携わる。退職し英知出版、サンマーク出版、宝島社、飛鳥新社で編集者となる。2001年よりフリー編集者として活動。「世界の富が一極集中し、激しい格差が生まれ、世界に争いが絶えないのは、金融のしくみを作ったロスチャイルド財閥の陰謀だ」「政府が通貨発行権を中央銀行から取り戻せば経済危機は克服できる」などといったマネー陰謀論に引きつけられたが、「本当なのだろうか」と疑問に思い、確かめてみたくなる。そこで英語に堪能で原著にあたる調査力があり、欧米の歴史、法律学、経済学、会計学、金融商品知識などに詳しく、また、「現在の世界は偶然ではなく、誰かの意図によって必然的につくり上げられたものである」という認識を共有する、各界で活躍するメンバーに声をかけ、マネー陰謀論を徹底的に調査した。そして浮かび上がった驚愕の事実の数々を、本書『世界金融本当の正体』にまとめる。

『世界金融本当の正体』 金融危機の原因はロスチャイルドでも資本主義の暴走でもない。政府と中央銀行の通貨発行権問題を明らかにする! 金融支配の法則がわかる決定版! amazon_associate_logo.jpg

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