絶望と希望の「親の介護」、従業員と企業のトラブル激増…悲劇的事態はこう回避できる

　だからこそ、単に専門家に丸投げするだけでは解決できない問題が多く発生する。それぞれの企業が、介護を経験した従業員の経験をシェアし、集約することで、従業員と企業が一体となって介護問題を乗り越えていく体制を築くことができれば、“人財”の流出を防げるだけでなく結束力のある組織となって更に“人財”が集まるといったプラスに転じるチャンスをもたらすと確信している。そこに、この先避けては通れない労働力人口減少社会における企業の生き残りのヒントが秘められているというのは、大袈裟だろうか。
（文＝鬼塚眞子／一般社団法人介護相続コンシェルジュ®代表、保険・介護・医療ジャーナリスト）