さらに、この期間が2017年10月からは最長2歳まで再延長できるようになった。ただし、雇用主に「保育園に入れなかった」という証明が必要だ。市町村が発行する保育所の入所保留の通知書など、申し込みを行ったが入所できなかったことを示す書類を勤務先に提出しなくてはならない。
改正は細々と行われるため、会社側が新しい条件を正確に把握していない可能性もある。利用する側が適切に申請しなければ、もらえるはずのお金ももらえないことになる。
介護休業についても改正された。2017年より、介護を必要とする家族1人につき通算93日まで、3回を上限として分割して取得が可能になったのだ。また、これまで1日単位とされてきた介護休暇(介護の手続きなどのために取る休み)が半日単位で取れるようになり、労働時間の短縮や残業の免除を求めることもできる。
介護休業給付金も受け取れる。休業開始時の賃金日額の67%が、93日を限度に3回まで支給される。この給付も、以前は賃金の40%だったのが2016年8月より引き上げられている。どちらも「育児や介護のためにキャリアを断たれることがなるべくないように」という措置だ。
資格取得の費用も最大70%までもらえる!
2018年1月からは「教育訓練制度」が拡充になった。「専門的な能力を身につけ長く働いてもらおう」という目的で、資格取得にかかる費用を一部負担してくれるという制度だ。
簿記や情報処理技術者などが対象の「一般教育訓練給付金」は、費用の20%(上限10万円)が給付される。看護師や放射線技師・美容師など、より専門性の高い資格が対象の「専門実践教育訓練給付金」は費用の40%だったが、これが2018年から50%に引き上げられた。しかも、資格取得後は20%を追加してくれ、最大70%も給付してくれるというのだ。年間にかかる費用の上限は40万円。さらに資格取得ができれば、56万円まで給付されるという。
「もし取得できなくても、それまでの給付金はもらえる」(井戸氏)というのだから、挑戦して損はない。さらに、45歳未満の離職者に対しては、受講期間中に離職前の月額基本給の80%相当額を「教育訓練支援給付金」として支給してくれるという。本当に太っ腹だ。
条件を満たせば、パートや契約社員でもこの制度は利用できる。専門性が高く就職に結びつきやすい資格なら、その後のキャリアアップに役立つだろう。対象となる資格は、ハローワークやインターネットの「教育訓練給付制度 厚生労働大臣教育訓練講座検索システム」で確認しよう。
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