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特筆すべきは、人気学区のマンションは価格が下がりにくいため、資産として購入する上でもお買い得であるということだ。本書の後半では、そうしたマンション選びの具体的な方法も紹介されている。
もっとも、本書で紹介されている学区年収や学力レベルなどのデータは、あくまでも数字から見た世界でしかない。仮に人気の小学校に入ることができたとしても、必ずしもそれが正解とは限らないという。
「たとえば、校長先生と相性が良くなかったり近所の住人がとんでもない人だったり、実際に住んでみてわかることもたくさんあります。本書を読んで『やっぱりこの小学校が一番だ』『ここは変じゃないか?』など、マンションや小学校選びのたたき台にしてもらえれば何よりです」(同)
本書には、東京23区のほか、都下、千葉、埼玉、神奈川の年収上位校も記されている。筆者は千葉出身だが、残念ながら出身中学校の名前は入っていなかった。しかし、よく考えてみると、千葉の年収上位校に挙げられている学校は昔ながらの地主が多く住んでいる地域だ。そのため、平均年収が高いという結果もうなずける。このように、本書は思いがけず地元に思いを馳せるきっかけにもなるのだ。
繰り返しになるが、マンション選びで何を重視するかはその人次第だ。「学区年収」は判断材料のひとつに過ぎないが、「選べる環境にあるのなら、選んだほうがいい」ということは言えるのかもしれない。
(文=中村未来/清談社)
●取材協力/「住まいサーフィン」
『マンションは学区で選びなさい』 「公立小移民」という言葉を知っているだろうか。人気公立小学校の学区に引っ越す家族のことを指し、子どもによりよい教育環境を与えたい「孟母三遷」な親ならでは選択と言える。これまで人気学区は口コミに頼る部分が多かったが、「学区と世帯年収」という新たな指標を与えるのが本書だ。人気学区のマンションは多くの場合、需要が供給を上回るため、資産性が高い。“教育環境がよいほど資産性が高くなるマンション格差の法則”をひもとく一冊。
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