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藤井泰輔「あなたの生活をサポートするお金のはなし」

「老後2千万円不足」は、こうやって乗り越えられる…現役世代のあなたが今すぐやるべきこと

文=藤井泰輔/ファイナンシャル・アソシエイツ代表

 子供を1人育てるには、教育費も含めてざっと3,000万円程度掛かります。2人の子供を1人にすれば、老後に不足する資金は十分に捻出できる計算です。

 日本は、少子高齢化の状況が加速しています。しかし、この少子高齢化という表現は、あたかも少子化と高齢化がセットになっているようで、人々に間違った認識を植え付けてしまいます。人口に占める高齢者の割合が増える高齢化と、生まれてくる子供数が少なくなっている少子化は、別の問題です。高齢化が進んでも、子供の数を増やしていくことは可能です。

 社会保障制度の仕組みを考えた場合、人口構成を一定の健全な比率に保つには、まずは少子化を食い止めることが必要です。そのために「子供は3人産んでほしい」と政治家が言うのは論外ですが、こうしたかたちで老後資金の不足額を認識させることが、本来の意図とは違って、少子化に拍車を掛けることになってほしくないと思うのです。

世間の数字に惑わされず自分の生活に照らして考える癖をつけよう

 今の年金制度は、100年安心なんかではありません。インフレになり、マクロ経済スライドが実施されていけば、実質的な年金額はどんどん減ってしまいます。そうした現実をきちんと認識しておくことは重要です。

 数字というのは恐ろしいもので、それがたとえ正しくなくとも、まことしやかに人々の目に映るのです。したがって、みなさんは出てきた数字で一喜一憂するのではなく、その数字が自分の実際の生活に照らしてどういう意味を持つのかを、自分なりに判断する最低限の知識を持っておくことが大切です。

 この金融審議会の報告書をきっかけに、今の自分の生活と老後の資金繰りを、週末にでもちょっと検証してみてはいかがでしょう。ねんきんネットの年金見込額試算などが、きっと役に立つでしょう。
(文=藤井泰輔/ファイナンシャル・アソシエイツ代表)

藤井泰輔/ファイナンシャル・アソシエイツ代表

藤井泰輔/ファイナンシャル・アソシエイツ代表

株式会社ファイナンシャルアソシエイツ代表取締役。生保協会認定FP、DCプランナー、宅地建物取引士。一橋大学商学部卒業後、三井物産、生命保険会社勤務を経て、2000年に総合保険代理店、株式会社ファイナンシャルアソシエイツを設立。法人、個人ともに、常に買う側の立場に立った保険提案で顧客の信頼を集めている。機会あるごとに保険をテーマとしたセミナーの講師を務め、さらに新聞、雑誌などへの寄稿を通して、正しい保険の活用法を説いている。主な著書に、『あなたの「生命保険」払いすぎ!』(かんき出版)、『中小企業のための保険加入完全ガイド』(プレジデント社)、『安心セカンドライフのためのマネー・プラン』(日本評論社)がある。

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