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外資系企業も日本型「新卒一括採用」導入…欧米、エリート以外は低賃金のブラック企業就職

文=A4studio
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 これならば、同業同職の経験者をわざわざ外部からヘッドハンティングする必要がなく、労力もかからない。

「このような日本の雇用契約は『メンバーシップ型』と呼ばれており、社内教育を施すことを前提として人材を採用します。新入社員には未経験でも遂行できる簡単な職務から任せ、徐々に職務を高度なものにしていくのです。とはいえ、ずっと同じ職務を任せるわけではないため、採用時点では実務的なスキルではなく、コミュニケーション能力や責任感などの人間性を重視することになります。

 一方、欧米の雇用契約は『ジョブ型』。職務単位で仕事のできる人材を求め、そのまま職務転換もなく同じ仕事を長く続けさせますから、スキルや経験を重要視した選考を行うのです」(同)

欧米型雇用制度の非常にシビアな事実

 では、欧米諸国の学生たちはどのように就職しているのだろうか。

「原則として欧米には、日本のような新卒一括採用というものがありません。新卒で優良企業に正社員として就職できるのは、有名大学出身の超エリートやエンジニアとなります。標準的な大学生が新卒で就職したいのなら、『エントリーレベル採用』というかたちで、末端に欠員が出やすい不人気な企業を甘んじて受けるしかないのです。

 要するに欧米の社会では、経験者の中途採用が基本。学生は即戦力として評価されるために経験を積まなければならず、その方法のひとつに、インターンシップへの参加があります。日本のインターンシップは長くても1カ月程度で終わるのに対し、欧米では数カ月もの間、低賃金の職業訓練を受けなければなりません。

 ちなみに、欧州だと原則、非正規雇用が認められていないため、インターンシップに参加する学生は正社員として雇われます。もっとも、学生は何がなんでも仕事を覚えなければいけない立場にありますので、企業からすれば、たとえ正社員でも非正規雇用と同じように安く働かせられるわけですね。

 整理すると、欧米の学生はよほどエリートでない限り、エントリーレベル採用で“ブラック企業”に就職するか、低賃金のインターンシップで働いてから中途採用を受けるのが一般的ということです」(同)

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