–営業マンにとっては致命的ですね。そういった苦手意識は、どのようにして克服したのでしょうか?
大竹 ある日を境にアポが取れるようになっていったんですが、電話営業のマニュアルをただしゃべるのではなく、お客さまとちゃんと話し、コミュニケーションを取るよう心がけました。電話がつながっている1〜2分の間で、お客さまのことを想像しながら会話をするようにしたら、苦手意識がなくなりましたね。
1対1のコミュニケーションなので、電話で行う会話の内容も全て異なります。また、断られても「ありがとうございました!」と必ず最後に一言付け加えることで、相手に良い印象を残すことができるようになりました。私自身も気持ちを切らすことなく、高く保つことが出来ました。
–電話営業でも、人間同士の付き合いが大切なんですね。
大竹 弊社は形ある商品を提案するのではなく、自分なりに“こういう採用プランがいいのではないか”と考えたものをお客さまに提案し、進めていきます。広告は「水物」といわれるものなので、反響が出ないこともあります。けれども、その場合は「次はどうやっていこう」と、チャンスをくれるクライアントに恵まれました。新卒の時から長く付き合っていただいているクライアントもいます。そういった人間関係のつながりや、それによってついてくる数字を実感することで、楽しさを感じられました。いつの間にか教員の夢はなくなってしまっていました。
–今の仕事のやりがいや醍醐味は、どのような部分にあるでしょうか?
大竹 やはり、人と仕事をしていくことでしょうか。後輩の社員や、チームの目標を達成できたときの喜びがやりがいにつながります。ひとりで目標を達成するよりも、チームや後輩が目標を達成したときのほうが、はるかに大きな喜びを感じます。
また、私だから任せてくれるというクライアントもいます。「安いから」「名前を知っているから」ではなく、自分だから選んでもらえるのは嬉しいことです。クライアントのために採用を成功させたいという気持ちは、現在も変わらずに持っています。
●子供を保育園に預けて早期の職場復帰
–大竹さんは、昨年末に生まれたお子さんを保育園に預けながらお仕事をされています。4カ月で復職というのは、とても早いケースなのではないかと思うのですが、早期に復職したいという気持ちがあったのでしょうか?
大竹 産休に入る際に「夏には復帰します」と宣言していました。当初から育休は1年間取得せず8カ月くらいで切り上げ、復帰しようと思っていたのですが、幸運にも3カ月で保育園に入ることができたんです。
–もっと子供と一緒にいたいという気持ちは?
大竹 もちろんありました。1日1日の成長が目まぐるしい時期でもあり、その成長を近くで見ていたいという気持ちは強く、子供とは、できるだけ離れたくはなかったです。何度も旦那や両親に相談しました。ネットの掲示板などを見ると、3カ月で保育園に預けることについては批判的な意見もあり、子供にとってよくないことなのかとも悩みました。ただ、保育園に入れて7カ月の今、とてもよかったなと思っています。
–どのような点でしょうか?
大竹 もし保育園に入っていなかったら、私と旦那、祖父母など親しい大人としか接する機会はありません。保育園に通うことで、同じ0歳児はもちろん、保育園の先生方や1歳から5歳児のたくさんのお友達と接することで、興味の幅が広がっているように感じます。つかまり立ちをしたり、ハイハイをするのも早かったんです。まだ9カ月ですが、もう歩いてしまうのではと思う今日この頃です。
–しかし、子供が一番可愛い時に離れなきゃならないというのは、母親にとってすごく心苦しいものです。仕事に集中して解消されているのでしょうか?
大竹 あまり考え過ぎてしまうと、早く会いたくなってしまう。仕事に来ている時間は、子供を忘れるわけではありませんが、なるべく子供がどうしているかを考えないようにして、仕事に集中しています。その分、帰った後は本当にべったり。なぜか自分の疲れが解消できるんです。