–子供と遊ぶことで、大竹さん自身のリフレッシュにもなるんですね。
大竹 出産前は想像つきませんでしたが、子供の面倒を見るのは義務ではなく、当たり前なこと。むしろ、私にとってリフレッシュになります。夜中に2時間泣きやまないこともありますが、子供のかわいい笑顔を見ると、そういう大変なこともスッと忘れてしまうんです。
●家族の協力もあって、家庭と仕事を両立
–ご家族の協力も大きいのでしょうか?
大竹 うちは、近くに住んでいる両親がいる為、家の仕事は半減されています。自分の親に関しては、復帰を一番応援してくれています。今まで自分が仕事をイキイキとやっているのを近くで見ていてくれていたので、仕事と育児を両立することを推奨してくれました。夕食の支度や、仕事で帰れない際に保育園に迎えに行ったりしてくれています。感謝の気持ちでいっぱいです。
旦那も、平日はあまり子供の面倒を見られない分、休日はお風呂に入れてくれたり、朝から子供と遊んでもらって、私がゆっくりと寝ているということも。そういった周りの協力がないと、仕事への復帰は難しかったかもしれません。
–御社ではダイバーシティ(編註:多様性を意味し、それぞれの立場・年齢・性別等を考慮したマネジメントをすること)を推奨し、ワーキングママに対するいろいろな制度が用意されているそうですが、どのような制度があるのでしょうか?
大竹 現在、私は時短勤務を利用して、10時から16時までの勤務時間になっていて、保育料を会社から半額負担してもらっています。月の目標を達成した場合は、翌月の保育料を全額負担してくれる嬉しい特典も。また、妊娠期間中はつわり休暇、定期検診休暇という制度もあります。
弊社内でも、営業で復職するのは私が初めてのケースになります。ですから、自分が要望を出せば、100%ではありませんが、制度として整えてくれます。とてもありがたい半面“自分が失敗したら、後輩にその制度が続いていかない”という責任感もあります。後輩のためにも、営業であっても育児をしながら、残業をしなくても復職できるということを示し、かつ数字としても結果を残さなければなりません。
–復職してから、仕事に対する意識も変化したのでしょうか?
大竹 以前は、20~21時まで残業をしていたんですが、今は16時までしか会社にいることはできません。一秒一秒大切に、集中して仕事に取り組むようになりました。ただ、やはり余裕がなくなってしまうので、ほかの人に声をかけたり、アドバイスをするといったことができないのが課題です。周りを見るためには、もっと仕事のやり方を考えないといけませんね。
–大竹さんの今後の目標は、なんでしょうか?
大竹 女性としての美意識も高く保ちながら仕事をして、後輩たちから「ついていきたい」と思ってもらえる存在になりたいですね。
母親としては、働いていないお母さんに比べて一緒にいる時間が少ないので、限られた時間の中でたくさんの愛情を子供に注ぎたいです。周りにサポートをしてもらいながら、子供に寂しさを感じさせることなく、大きくなったら「お母さんすごいな」と思ってほしい。そのためにも、仕事も育児も密度を濃くしたいですね。
–ゆくゆくは2人目のお子さんも考えていますか?
大竹 私も4人きょうだいだったので、弟・妹はつくってあげたいですね。妊娠、育児、仕事が重なり、現在よりもさらに大変になってしまうかもしれないですが、その時は頑張りたいと思っています。
(取材・文=萩原雄太)