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昆虫食、なぜ秘かなブームに?飲食店やイベントでも人気、栄養価高く美容効果も

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昆虫食の缶詰
 「昆虫食は、太りにくくて、美容にもいいんです。古くから、肌ツヤの向上や老化防止効果は謳われていました」

 こう説明してくれたのは、11月上旬に『むしくいノート』(カンゼン)なる昆虫食に関する本を上梓予定の虫食いライター・ムシモアゼルギリコ氏。彼女自身も、昆虫食のおかげか肌ツヤが良い。

 もともと、アジア圏では食虫の文化のある国は多いが、西洋では見た目のグロテスクさも手伝ってか嫌悪されていたという。しかし、最近では、英・仏をはじめ高級料理店でも昆虫の料理を扱うところが増えているようだ。この傾向は日本でも同様で、新規出店に限らず既存店でも昆虫料理を扱う店は徐々に増え、秘かなブームになりつつあるという。

 古くから日本でも蚕のサナギや蜂の子、イナゴといった昆虫は各地で食されてきているが、江東区の割烹「やき蛤」では、これらのほかタガメ、サソリ、ムカデ、アリといった昆虫の料理が提供されている。また、新宿区の中華料理店「上海小吃」や「中国茶房8」、ミャンマー・シャン料理「ヌングインレイ」、文京区のタイ料理「タイ・クラシック」でも、さまざまな昆虫のメニューが並んでいるが、これらの店では、3年ほど前から昆虫料理をオーダーする人が増えているという。

●若い女性に好評

 特筆すべきことに、若い女性の昆虫食に対する関心が高まっているということだ。昨年11月に都内で開催された「東京虫食いフェスティバルvol.4」には、100名を超える参加者と数多くの報道陣が詰めかけたが、参加者の約半数は女性だったというから驚きだ。見た目のグロテスクさと対照的な、その美味しさというギャップに加え、美容に良いという付加価値によって、女性のハートをキャッチしているようだ。

 大阪に本店を構え、全国に展開する缶詰バー「mr.kanso」(渋谷店)にも昆虫の缶詰が置いてあるとの情報を得て、訪ねてみたところ、イナゴや蜂の子、蚕のサナギなどの缶詰が置いてある。店主にお話を聞くと、入荷するとすぐに売れてしまうという。「女の子たちはキャーキャー言いながらも、楽しそうに食べる」らしく、好奇心なのか怖いもの見たさなのか、若い人には好評のようだ。ちなみに、これらの缶詰はAmazonなどでも売られている。

「蜂の子の甘露煮(左上)、蚕のサナギ(左下)、イナゴの甘露煮(右)」

 また、今年8月には、東京都内のある公園で、セミを捕まえて食べる催しが行われ、同月30日にその模様がテレビ番組『情報まるごと』(NHK)の特集で放送された。

 この催しは「セミ会」と呼ばれ、今回が7回目だという。インターネットやクチコミで集まったのは、100人あまり。捕虫網で木に止まるアブラゼミやミンミンゼミを捕まえ、夕方になると地上に出てくる幼虫を待ち伏せ、調理して食べる姿が放送された。「セミ会」参加者のうち、およそ半分は初めて昆虫を口にしたそうだが、成虫は「ポテトチップスのようにパリパリしていて、おつまみにちょうどいい」、幼虫は「ナッツと鶏肉を混ぜた味」といった感想を話す人もいて、おおむね好評価だった。

 今後は昆虫を食べることが、日常の姿になってくるかもしれない。それは、FAO(国際連合食糧農業機関)が13年5月に発表した「食べられる昆虫 食糧安全保障の展望」と題した報告書が暗示している。

●50年に世界人口90億を支えるための食糧に

 使い古された表現ではあるが、世界の人口はどんどん増え続けている。このままでは50年に90億人を突破し、深刻な食糧危機がやってくる。そこでFAOは、昆虫を新たな栄養源として検討すべきだと指摘したのだ。オランダのワゲニンゲン大学と共同で行われたFAOの調査によれば、現在、世界中で1900種以上の昆虫が食用として消費されているという。

『むしくいノート びっくり!たのしい!おいしい!昆虫食のせかい』


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