東京都議会の会派「都民ファーストの会」(以下、都ファ)から、音喜多駿氏、上田令子氏の両都議会議員が離党した。
両氏は、昨年7月の東京都知事選挙で小池百合子氏を支援し、「ファーストペンギン」と呼ばれた都ファ躍進の立役者でもある。2人の離党は、小池氏が代表を務める希望の党の衆議院議員選挙のゆくえにも大きな影響を与えている。
両氏は、新たな会派「かがやけTokyo」を設立した上で、「自由な立場で真の意味での東京大改革を進める」方針を明らかにしている。都ファの何が問題で、今の小池氏をどう見るのか。音喜多氏に聞いた。
「小池都知事は言行不一致」
――離党した理由について、あらためてお願いします。
音喜多駿氏(以下、音喜多) まず、自分の信念を貫き通すためとはいえ、都ファを離党したことについて、お詫び申し上げます。自分としては、「東京大改革」を進めるにあたって取り組みたい政策があるため、このような結果になりましたが、残念に思っています。
支持者の方にごあいさつや意見交換をさせていただきましたが、9割方から「よくやった」「小池都知事にはガツンと言わないとダメだ」と激励の言葉をいただき、自らの役割を再認識しているところです。
記者会見でも申し上げましたが、離党の理由は主に3点です。まず、政党としてもっとも重要な「代表交代決定事項」が密室で決められています。これは、我々が常日頃から批判している“ブラックボックス”にほかなりません。
次に、言論・情報発信の規制です。以前、私は幹事長職に就いており、都ファのスポークスマンとして、テレビをはじめとするメディアで情報発信を行っていました。しかし、取材やメディア出演が規制されたことによって情報発信ができなくなり、特にテレビに関しては100%お断りしなければならない状況でした。
3つ目は、小池都知事の希望の党代表就任についてです。国政と都政の二足のわらじが決して悪いわけではありませんが、都政は豊洲市場や東京オリンピック・パラリンピックなどの問題を抱えています。そんななか、今国政に進出するのが本当に正しいことなのか。「都政に専念する」と言いながら、都ファの代表を退いた後に国政政党である希望の党の代表に就任するというのは、言行不一致です。
また、希望の党は左右両派が共存しており、「野合」のそしりをまぬがれません。都ファの都議は同党を無条件で応援しなければなりませんが、私の政治信条として、それはできません。
これらのことが私には受け入れがたく、離党して上田都議とともに新たな会派「かがやけTokyo」を設立しました。