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「初音ミク」創作活動の中から、新ビジネス発見&育成?クリプトン社の“怖い”戦略

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※今回のコラムに関係のある部分のみ抜粋。

Q: 7-6 次の疑問は、「ピアプロ」の外では、何が起るかという話になります。
仮に、ピアプロに投稿した段階で、PCLによる許諾をし、また許諾を受けることになるとした場合、一旦ピアプロの外で創作された創作物は、絵画「初音ミク」に関しては、PCLのライセンス許諾はされるものの、それ以外のN次創作の部分については、著作権法などの一般法が適用されることになりますが、この理解は正しいですか。もし正しいとすると、三次創作者が、四次創作者の著作物の使用を制限できることになります。とすると、PCLの精神が損われる権利関係が発生することになるとも思えますが、この理解は正しいでしょうか。

正しいです。もちろん、四次創作者に対して個別に許諾を行うことも可能です。PCLとサイトとしてのピアプロの機能たるピアプロのライセンス機能は全く別物であり、ピアプロに作品を投稿しなくてもPCLによる当社から作者への許諾はPCLの前文によって自動的に行われています。これは当社から四次創作者に対しても同様であり、したがって三次創作者と四次創作者との間の関係においては、三次創作者が個別に四次創作者に許諾を行うことは可能です。
とはいえ、このような煩雑さを避けるために、当社では、当社キャラクターを用いた作品については、可能な限りピアプロに投稿していただくことを推奨しています。なぜなら、上記の例では、四次創作者は三次創作者だけではなく二次創作者との間にも許諾が必要ですが、それも三次創作の作者が作品をピアプロに投稿することでクリアランスが可能になるからです。ピアプロにはこのような多段階の権利関係をワンストップで解決するための「創作ツリー」という機能も用意しております。
http://blog.piapro.jp/2009/12/post-311.html 

Q: 7-7 この「ピアプロ+PCL」の話から離れますが、「自由な表現の自由の担保」と「利益モデル」というのは、両立が難しいとは思われませんか。

そのようには考えておりません。まず、これらのライセンスはすべて「非営利目的での利用」に対して開かれたものです。「商品化権」は弊社が完全に保有しております。
また、弊社キャラクターの商品化におきましては「クリエイターのクリエイティブに付加価値をもたらす」企画であることが不可欠の要素となります。「必然性のない商品化」を行わないことにより、ネット上で弊社キャラクターの創作物に触れている方であっても、積極的にキャラクター商品をご購入いただけるようになれれば、と思いながらライセンスを行なっております。
 弊社としては「使えば減る価値」ではなく、「使えば使うほど増える価値」に重きを置き、そのような価値観を示すもののひとつの例であり実験といたしまして、初音ミクをとらえております。この考え方からは、「自由な表現」は「利益モデル」と相反するものではございません。

Q10:今後複雑化していくことが確実であるPCL周辺の権利関係をどのように整理していけば良いと思われているでしょうか。例えば、誰か旗を振っている人はいらっしゃるでしょうか。

あまりにも複雑な関係については、個別の案件として単純化をはかればよく、一般論としての権利関係の整理ということについては、現状では切迫した必要性を感じてはおりません。

Q11:上記権利関係に基づく利益分配モデル(ビジネスモデル)について何かアイデアをお持ちでしょうか。

同人誌即売会を中心とした文化が、デジタルデータによる簡易なやりとりが誰でも可能になった現在でもますます盛んになっているということの意味をPCL制作中に考えました。もちろんそれは、固体のメディアに作品を記録して頒布するという形態が歴史的に継続して伝統となった、ということが強いでしょう。また、そのようなお祭りを共通の文法として享受しよう、ということもあるのでしょう。ただ、それだけでないとすれば、それは「対面でかたちあるものを手渡しすることでの”つながり”ということに求められるのでしょうし、そのような文化が数十年にわたって醸成された結果として、その上にミクも参加させていただいたのであれば、そこに即したようなかたちの仕組みを用意することが必要なのかと考えました。
基本的には、このスキームを堅持し、それをどのように効率化できるかということになるかと考えております。

Q12:現在、顕現化している問題点はございますでしょうか。

現状で早急に解決が必要となるという課題の認識はございません。
ただ、情報・通信技術の発展に伴い、インターネット上でのクリエイターによる表現形態にも当然変化が生じるでしょうから、それに対応するような改良はいずれ不可避になるものだと承知しています。

Q13:政治家、マスコミ、技術者、コンテンツ創作者、コンテンツ需要者にお願いしたいことはございますでしょうか。

BusinessJournal編集部

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