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知ってるようで知らない……薬局の歩き方・クスリの選び方 第24回

消臭剤は危険?除菌・抗菌商品は人体に有害な例も 使用時の注意点は?

文=へるどくたークラレ/サイエンスライター
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(3)電動式(コンセントタイプ)

 電動式は、スプレー缶がセンサーで動作して噴霧するタイプと、電熱によりゆっくりと消臭成分が揮発するタイプに分けられます。成分が熱に強いものでなければならず、加熱蒸散で消臭効果を持つ成分は限られるので、スプレー式に比べると消臭力は弱いものが多いです。

 ただ、植物由来の香りの良い成分で、蒸発しにくくスプレータイプに使えない成分も強制的に蒸発させることで、香りを安定的に持続させることができるという利点があります。寝室などに好みの香りを維持しておきたい人などにはうってつけといえます。

●使いすぎに注意が必要な抗菌商品

 ところが、こうした消臭剤の中には、注意すべき商品もあります。それは、除菌や殺菌、抗菌を掲げる商品群です。

 昨今の潔癖すぎる衛生ムードの中で、消臭剤に殺菌成分を加え、より衛生的であるとのイメージの商品が販売されています。殺菌剤は銀イオン系成分や、四級アンモニウム塩などの逆性石けん成分が使われており、一時的な除菌には便利ですが、肌に触れ続けた場合は、薬品焼けなどを起こす危険もあります。

 これらの除菌剤入りの消臭スプレーは、直接肌が触れることがなく、かつ臭いが発生しやすい下駄箱や、靴の中などに使うべきで、部屋の中など人が吸引する可能性のある場所でまくのは避けるべきでしょう。製品に注意書きはありますが、あまり目立つように書かれていないので、気付かずに常用している人も多いかもしれません。

 本来、銀イオンは、危険な温水中のレジオネラ菌の繁殖抑制などに使われるべきであり、身の回りの除菌などに頻繁に用いることは注意が必要です。

 表面だけの殺菌をしても根本的解決にはならず、こまめな掃除洗濯が基本です。過度な除菌は、健康に良いとはいえず、衛生的な暮らしをしているつもりが、有用な常在菌すら除去した挙げ句に人間の抵抗力を低下させ、果ては刺激性の高い化合物でコーティングされた日用品だらけになっては本末転倒です。

●効率的な除菌・消臭

 雑菌が悪さをする典型的な例として、洗濯物の嫌なにおいが挙げられます。洗濯物を室内干しした結果、独特なにおいが残ったという経験は誰しもしたことがあると思います。しかも、一度付いたにおいは、その後洗ってもなかなか落ちないものです。

 これは布地に付いた雑菌の数が多くて、洗浄しても落とし切れない状態になっているものです。そのにおいを消そうと除菌消臭スプレーをかける人や、泣く泣く服を捨ててしまう人もいますが、実は、薬局に売っているある薬品で簡単に解決できるのです。

 それは、ベンザルコニウムです。

 聞きなれない名前ですが、除菌消臭剤に配合されている成分の一つです。ベンザルコニウムは歴史と実績のある殺菌剤であり、病院のタオルやシーツなどの洗浄にも使われています。ほとんどの薬局で取り扱いのある薬剤で、クエン酸や重曹などと同じコーナーに置いてあります。「逆性石けん」ともいわれ、通常は水溶液の状態で売られており、洗濯の場合は100倍程度に希釈して使います。

 原液は刺激性があるので、なるべく触らないように注意しましょう。また通常の洗剤と併用すると中和してしまい、逆に落としにくい汚れが発生してしまうので、絶対に混ぜないでください。

 普通の洗剤と同じように使用しても問題ありませんが、すすぎ回数を1回多くしておくと安心です。あとは普通に干せば、いやなにおいを放っていた衣類もすっきりするはずです。それでもにおいが落ちない場合は、100~150倍に薄めた液に一晩つけ置きしておくとよいでしょう。
(文=へるどくたークラレ/サイエンスライター)

●へるどくたークラレ
 数々の大型書店で理系書売り上げ1位となった『アリエナイ理科ノ教科書』著者。本連載をまとめ、さらに加筆した『薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)が発売されました。

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