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安保徹「間違いやすい医学の常識」

ケガや病気の発熱や痛み、無理に止めると危険!治らなくなる恐れも

文=安保徹/新潟大学名誉教授、医学博士
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 このような背景から、組織修復のための多くの反応系が発熱を伴うミトコンドリアの力に依存しているのです。ミトコンドリアは37℃以上の高い体温で働くために、わざわざ発熱を起こしているわけです。風邪を引いた時も発熱しますが、免疫を司るリンパ球が十分に働くためにリンパ球のミトコンドリアを活性化している反応です。

 氷で冷やしたり、湿布薬で冷やしたり、消炎鎮痛剤やステロイドで炎症を止めにかかると、一時的には楽になりますが、ミトコンドリアが働けなくなるので組織修復が抑制されるわけです。このようなメカニズムを知って我が身を守りましょう。
(文=安保徹/新潟大学名誉教授、医学博士)

安保徹/新潟大学名誉教授、医学博士

安保徹/新潟大学名誉教授、医学博士

1947年、青森県生まれ。東北大学医学部卒業。現在、新潟大学大学院医歯学総合研究科教授(国際感染医学講座免疫学・医動物学分野)。米国アラバマ大学 留学中の1980年に「ヒトNK細胞抗原CD57に対するモノクローナル抗体」を作製。89年、胸腺外分化T細胞の存在を発見。96年、白血球の自律神経 支配のメカニズムを初めて解明。国際的な場で精力的に研究結果を発表し続け、免疫学の最前線で活躍
医学博士安保徹 公式サイト

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