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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

農家に嫁いだ直後、頭から農薬をかぶり、目や脳に後遺症が残った女性の不幸

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「Getty Images」より

 九州・宮崎県にも、筆者が親しくしていただいている農家があります。先日もお邪魔してきました。その農家は小規模なのですが会社組織になっていて、社長は岐阜県出身の女性です。筆者も岐阜県在住なので何かと話が合い、お会いすると雑談に花が咲きます。

 この女性は26年間もオーガニック一筋に農業を続けてきて、かなりのご苦労もされてきましたが、そんなことはみじんも感じさせません。そして、オーガニック農業を始める前はなんと、農薬を販売する会社の経営者でした。それを転換することになったのは、いくつかの出来事が重なったからでしたが、もっとも強烈な出来事は、ご自分が農薬を販売していた農家にお嫁さんが来た時の一件です。

 そのお嫁さんになる方のこともよく知っていたので、その方をはじめ、周りはみんな大喜びだったそうです。その頃、農家の嫁は、なかなかなり手がいませんでした。農家にとって嫁は一労働力でもありますから、嫁いだらつらく厳しい日々が待っているということがわかっている親御さんは、自分の娘を農家に嫁にいかせることに、あまり積極的になれないそうです。その頃は、今よりもっとその傾向は強く、反対に嫁を迎えるほうとしては多額の仕度金を用意して、もろ手を挙げてお迎えしたようです。

 嫁いで3カ月ほどしたある日、農薬販売をしていた件の女性経営者がその農家を訪ねてみると、お嫁さんの姿がなく、どうしたのかと思って尋ねたところ、数日前、農作業中に誤ってお嫁さんが農薬を浴びてしまい、入院中でした。靴の紐が弛んだので、縛り直そうとかがんだ時に、背負っていた農薬が頭からかかり、病院に運ばれて処置を受けたのですが、一命はとりとめたものの、目にも耳にも障害が残り、髪の毛はほとんど抜け、脳にも後遺症が残るという事態になってしまいました。

 嫁ぎ先のご両親も涙ながらにそのことを語ってくれましたが、お嫁さん側のご実家の強い希望によって離縁することとなり、喜びもつかの間、両家とも不幸のどん底に突き落とされるという、なんとも悲しすぎる結末となったのでした。

 今は、オーガニック農業をやっている女性経営者は、自分が販売していた農薬の危険性は十分に承知していたものの、こんな事故が起こるのかと、胸をかきむしられるような悲痛な思いをし、農薬販売から手を引いてオーガニック農業を実践する決意をしたのです。

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