決定的に体が変化したのが、3回目の注射を打って1週間ぐらい経過した、ある朝のこと。快適な目覚めとともにパジャマのズボンを見ると、見事に“テント”を張っていたのです。実に、1年半ぶりの「朝立ち」でした。その日を境にみるみる体調が良くなり、顔に生気も戻ってきました。気持ちも前向きになり、動悸やだるさはいつの間にか消えていました。見事に男性ホルモンの注射が効いたのです。治療してくれた医師は「男性ホルモンは加齢とともに減少しますが、それを知らない人が多い。40歳を過ぎたら、原因不明の体調不良の理由として更年期障害を考えるべき」と話していました。

 ただ、男性ホルモン注射の副作用らしきものがなかったわけではありません。たとえば、原因不明の腰痛を発症し、お辞儀をするのに苦痛を感じたこともありました。医師に言わせれば「そんな副作用は聞いたことがない」とのことでしたが、臀部の筋肉注射であることを考えると、「ほど近い腰になんらかの影響を与えたのでは……」と勝手に推察しています。

 ただ、それから約4年、一度も男性ホルモン注射にお世話になることなく、体調は良好で毎日を過ごすことができています。私の場合、テストステロン注入がピタリとはまり、わずか3回の治療で症状が嘘のように消えていきました。やはり、男性ホルモンの減少が体調不良の原因だったのです。

 過重労働やストレスなどで、心と体のバランスを崩している中年男性は多いと思います。私の経験からいえるのは、「心と体は密接につながっていて、体が不調だと心も病み、心が病んでいると体調まで悪くなる悪循環に陥る」ということです。そして、心身の両方に大きな影響を与えるのが男性ホルモンであるということに、多くの男性は気がついていません。
(文=大井美樹/ライター)

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