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順天堂医院・新生児取り違え、被害者に「愛人では?」「実の母親開示拒否」は仕方なしか

文=深笛義也/ライター
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順天堂医院・新生児取り違え、被害者に「愛人では?」「実の母親開示拒否」は仕方なしかの画像1順天堂医院(「Wikipedia」より/Beer server)

 数ある医療過誤のなかでも、独特の悲惨さを帯びるのが、新生児の取り違えだ。DNA鑑定が比較的簡易になった現在、半世紀前の新生児取り違えが発覚することが多い。

 今年になって報じられた、順天堂大学医学部附属順天堂医院での新生児取り違え事件が起こったのは51年前。2013年に東京地方裁判所で賛育会病院に賠償命令が出た新生児取り違えは、その60年前。06年に東京高等裁判所が東京都に賠償を命じた、東京都立墨田産院(閉鎖)で起きた取り違え事件に本人が気づいたのは、46歳の時だった。

人生の大半を過ごしてきてから、育ててくれたのが実の親ではない、血がつながっていないとわかる。そのショックは計りしれない。

 賛育会病院に関する地裁判決は、「出生とほぼ同時に生き別れた両親はすでに死亡していて、本当の両親との交流を永遠に絶たれてしまった男性の無念の思いは大きい」と述べ、墨田産院に関する高裁判決は「取り違えは産院の基本的過誤で、原告は重大な過失で人生を狂わされた」と述べた。

医学における教育改革にも取り組み、ハイクラス家庭教師MEDUCATEを運営する細井龍医師から新生児の取り違え問題について聞いた。

 こうした新生児の取り違えは、よく起こるものなのだろうか。

「現在ではほとんど起こり得ないでしょう。乳児が生まれたら、体を拭いたりする前に、何よりも先に個人認証バーコードの入ったバンドを付けます。母親がつけているリストバンドと同一になっており、バーコードで親子が認証できるようになっています。保育器も赤ちゃんと1対1で対応するようになっていて取り違いが起こらないように対策されています。」

 順天堂によれば、当時は沐浴後に新生児の足裏に母親の名前を記すという方法が取られていて、その際に取り違えが起きたと考えられるとのことだ。賛育会病院での取り違えも沐浴の際に発生している。そうした教訓から、現在の方法が取られているのだろう。現在では取り違えは起こらないといえるのだろうか。

「助産師だけで運営している地方の助産所などでも、相当気をつけていらっしゃるとは思いますが、個人認証バーコードや電子カルテシステムがない場合も多いと思うので、起こる可能性は0ではないと思います。ヒューマンエラー、すなわち人間はみなミスをするという前提の下でシステム構築をしていかなければならないという事です。順天堂大学レベルの大病院ではまず取り違いは起きないとは言えますが、誰も0%とは言い切れません」

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