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ここまで世界は「分断」していた(2)

サイバー空間の城壁「GDPR」でグーグル、フェイスブックが苦境に?

文=編集部
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 また、自治州が国から独立しようとする動きも見られる。代表的な例としては、スペインのカタルーニャ自治州だ。17の自治州から成り立つ国・スペイン。その中でも自治意識が強いのがバスク州とカタルーニャ州であり、バルセロナという大都市を擁するカタルーニャ州は人口およそ750万、スペインの国内総生産(GDP)の約2割を稼ぎ出している。

 もともと、スペインとカタルーニャは違う国だった。カタルーニャがスペインの統治下に置かれたのは300年ほど前のことで、20世紀のフランコ体制下においては激しく弾圧されている。

 カタルーニャの独立運動が盛んになったのは、2010年以降のことだ。景気が悪化するなかで、カタルーニャ州の税負担が大きいことに対する不満が理由のひとつとされているが、当時バルセロナで暮らしていた高城氏の見方は異なる。

 カタルーニャ州政府は、それまでスペイン中央政府と合意の上で自治憲章を制定していたが、2010年に憲法裁判所が新しい憲章を「違憲」としたことが引き金だった。つまり、中央政府が自治州の権限を取り戻そうとしたのである。

 2017年10月1日、カタルーニャ州政府は独立を問う住民投票を実施する意向を表明。スペイン中央政府の妨害に遭いながらも実施され、「賛成」が90%と圧倒的多数となったことが世界から注目を浴びた。

 しかし、10月27日、スペイン上院はカタルーニャ州の自治権停止を承認し、州議会を解散。12月21日にはカタルーニャ自治州議会選挙が行われ、80%という高い投票率の結果、独立派3党が過半数を獲得した。

 このスペイン中央政府とカタルーニャ自治州の“戦い”について、高城氏は「民主主義のかたちを取った、カタルーニャ独立派とスペイン統一派の『内戦』と言っても過言ではない」と指摘する。

EUと世界を「分断」させる城壁「GDPR」

 そして、EUに起きている最大の分断は「世界」との分断だ。「城壁」の発祥の地であるヨーロッパ。そこで、また新たな「城壁」が誕生しようとしている。その壁は、EU全体を覆うものである。

 2018年5月25日、EUで「GDPR(General Data Protection Regulation)」(欧州一般データ保護規則)が施行された。これはデータ保護に関する法律で、個人情報を集めて処理する業者に対し、さまざまな義務や罰則が課せられるようになるというものだ。

 本書における高城氏によるわかりやすい説明を引用すると、「GoogleやFacebookが、世界中の個人情報を半ば勝手に収集し、広告主に売り渡すような行為を厳禁とする法律」である。

BusinessJournal編集部

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