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孫崎享「世界と日本の正体」

GSOMIA破棄、日韓共に支障なし…日本政府は韓国へのお詫びが優先、徴用工問題で

文=孫崎享/評論家、元外務省国際情報局長
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【参考:「慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話」(平成5年8月4日)】

(1) 慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。

(2)慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島が大きな比重を占めていたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。

(3)本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。

(4)そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては、有識者のご意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考える。

【参考:村山内閣総理大臣談話「戦後50周年の終戦記念日にあたって」(平成7年8月15日)

(1)私たちは過去のあやまちを2度と繰り返すことのないよう、戦争の悲惨さを若い世代に語り伝えていかなければなりません。

(2)現在取り組んでいる戦後処理問題についても、わが国とこれらの国々との信頼関係を一層強化するため、私は、ひき続き誠実に対応してまいります。

(3)わが国は、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。

徴用工問題の解決へ

 日韓の間で一連の日韓関係悪化の端緒になった徴用工問題も、従軍慰安婦と同様の対応ができるはずである。具体的には、少なくとも、

「(1)多大の損害と苦痛を与えました。私は、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明する。

(2)  我が国としてどのように表すかということについては、有識者のご意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考える」

 との立場を表明し、徴用工問題の解決の糸口にすべきではないか。

(文=孫崎享/評論家、元外務省国際情報局長)

 

孫崎享/評論家、元外務省国際情報局長

孫崎享/評論家、元外務省国際情報局長

東京大学法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。1966年外務省入省。イギリス陸軍語学学校、ロンドン大学、モスクワ大学にてロシア語を習得し、在ソビエト連邦大使館を経て、1985年在アメリカ大使館参事官(ハーバード大学国際問題研究所研究員)、1986年在イラク大使館公使、1989年在カナダ大使館公使を歴任。1991年から1993年まで総合研究開発機構へ出向。駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使を歴任。国際情報局長時代は各国情報機関と積極的に交流。2002年より防衛大学校教授。この間公共政策学科長、人文社会学群長を歴任。2009年3月退官。

Twitter:@magosaki_ukeru

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