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「エアガン煽り運転」佐藤容疑者は、地元では有名な「大人になれない問題児」だった【沖田臥竜コラム】

文=沖田臥竜/作家
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余罪も疑われる佐藤竜彦容疑者

 愛知県内の高速道路でエアガンを発射した煽り運転。「またか……」と感じた人々も少なくないだろう。その容疑者として、14日に兵庫県尼崎東署に出頭し、逮捕されたのは、筆者の中学の後輩、佐藤竜彦(40)だった。

「佐藤は兄弟分に連れられて、しぶしぶ警察に出頭したようだ」(筆者の知人)

 エアガンの犯人が佐藤と知った時、驚きがなかったといえばウソになるかもしれない。だが同時に「やはり竜彦か……」という思いも少なからずあった。なぜならば、13日の時点で、容疑者が40歳の男で尼崎市出身、覚醒剤の前科があるということまではすでに掴んでいた。そして、エアガン……よくよく考えて見ると、著者の知る限り、それに該当するのは佐藤しかいない。著者の地元、尼崎・塚口でも多くの人間が「やっぱりか」という同じ感想を持っていた。

 つい先日、宮崎文夫容疑者(43)による常磐道での煽り運転が問題視されたなかで、その余韻が冷めやらぬにうちに、「なぜ同じようなことを行う輩がいるのか」と理解に苦しんだ人も多いだろう。だが、そんなことは佐藤には関係なかった。なぜならば佐藤は20数年前から今に至るまでずっと、覚醒剤、窃盗、煽り運転、エアガンの不正使用を繰り返し続けていたからだ。佐藤にとって、それはライフスタイルだったのだ。だからといって、佐藤を知る人間は、彼に対して凶暴性といったイメージを持っていないし、佐藤にとってもそれらの行為は遊びの延長線上に過ぎなかったのだと思う。その甘えた意識がなにより問題だったのだ。

 佐藤は筆者の中学の後輩であり、同じ暴走族の後輩にもあたる。ただ決してリーダーのような存在ではなく、その世代には佐藤より目立っていた後輩が何人もいた。そのため十代の頃の佐藤の印象は、ほとんど筆者の記憶にはない。だが佐藤は、相手の懐に入ることに長けており、その後、筆者もかわいがっていた時期があった。佐藤が初めて刑務所に務めることになった際には、差し入れなどの面倒を見たりもした。筆者以外にも、佐藤の周囲にはそうした人間が少なからずいた。しかし、その後も佐藤は刑務所を出たり入ったりを繰り返した。筆者の耳に入っている話も、ろくなものがひとつもなかった。更生してほしいという周囲の期待を裏切り続けてきたのだ。

 これまでのことを考えると、佐藤は再び逮捕される可能性は高いと思われる。

 もうそろそろ良いのではないか。これだけ社会的に注目される事件を起こしてしまったことをきっかけに、二十歳前後で止まってしまった体内時計を動かし始めても良いのではないか。先輩として、今回の刑務所暮らしでしっかり罪も償い、復帰後は社会に迎合し、生まれかわった姿をこれからの人生を通して見せていってほしいと切実に願うばかりである。

(文=沖田臥竜/作家)

沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

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