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山口組分裂騒動…沈黙の8月が終わり、激動の「秋の陣」を迎えるのか?

文=沖田臥竜/作家
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9月2日、総本部での会合に出席するために新神戸駅に降り立った司組長

 例年8月は、六代目山口組では公式的な行事をとり行わず、直参の親分衆は本拠地のある地元に戻り英気を養う、夏休み的な期間となっている。4年前、そうした最中に起きたのが、今なお余波が続く六代目山口組の分裂である。

 そして去年の8月には、異例と思われる会合が神戸市灘区にある六代目山口組総本部で開かれたため、業界内で「任侠山口組が六代目山口組に加入するのではないか」という話しが飛び交った。しかし、その後、大きな動きはなく、今年も夏休み期間ともいえる8月21日には、神戸市内で発砲事件が起こり、瞬時にして緊張がみなぎる状態に陥ったのだが……【参考記事「六代目山口組連続襲撃で騒動が再燃か」】。

「弘道会関連施設で、六代目山口組の保守本流と言われる弘道会系組員が発砲されたことから、捜査関係者は警戒を強めていました。それは山口組関係者らも同様だったと思われます。しかし、だからといって、その後、報復行為はもちろんのこと、直参組長らが総本部へと集まるようなこともありませんでした。夏休みの雰囲気は維持されたままだったのです」(実話誌記者)

 そうした期間を経て、直参と呼ばれる、二次団体の全国の親分衆らが、休み明けの顔合わせのために六代目山口組総本部(神戸市灘区)に集結したのは9月2日のこと。多くの報道関係者や捜査員らが警戒にあたるなかで、六代目山口組・司忍組長が新神戸駅に到着。集結した直参組長らが待つ総本部へと入り、夏休み開けの顔合わせが行われたのである。

「通常通り、定例会は3日後の9月5日に開催されている。今のところ、何か大きな動きや通達が出されたというような話は、漏れ伝わってきていない」(捜査関係者)

 六代目山口組総本部で定例会が開催されたこの日。名古屋にある三代目弘道会本部にも幹部らが集まり、六代目山口組と友好関係を結んでいる他団体の首脳陣らを出迎えたのである。

「9月5日は現在、府中刑務所に服役中の六代目山口組・髙山清司若頭の誕生日となります。今年に限らず、服役中の間も他団体が髙山若頭の誕生日をお祝いするために、弘道会本部を訪ねています」(ジャーナリスト)

 その髙山若頭の出所を10月に控えたなかで、結成から丸4年を迎えた神戸山口組でも8月26日、直参の親分衆らが神戸市二宮にある神戸山口組事務所に姿を見せていたことが、捜査関係者らによって確認されている。

「特段、結成4周年に合わせた会合などは開かれていないようだが、直参組長らが顔を合わることによって、あらためて結束が図られたのではないか」(地元関係者)

 一方で六代目山口組や神戸山口組とは違い、ブロックごとの会合は開催させているものの、数カ月にわたり、直参組長らが一堂に会する定例会を開催させていないのが、任侠山口組である。

「このご時世、定例会といった会議を開くにも当局が目を光らせている。そうしたことを考慮し、任侠山口組では極力、目立つような行いを慎み、沈黙を保っているのではないか。また、4日には保釈中であった任侠山口組若頭である四代目真鍋組・池田幸治組長が収監されるという出来事もあった」(別の地元関係者)

 実質的ナンバー2なる池田若頭が収監されたことで、運営上にも支障をきたす面も出てくるのではないかと思われるが、この関係者が話すには、保釈期間中に、こうした対策はすべて完了しているというのだ。

「池田組長が率いる真鍋組では現在、任侠山口組のなかでも武闘派として知られている竹内組が本拠を置く長野県に支部を置き、同県内での地盤を固めていると聞く。それに池田若頭の服役は長くなく、年内にも一線へと復帰できる見通しと言われており、組織の運営に問題点はないのではないか」(前出の関係者)

 沈黙の8月を経て9月に入り、3つに分かれた山口組では“秋の陣”を迎えることになったのである。

(文=沖田臥竜/作家)

沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

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