日本で本当にあったヤバい選挙事件簿…政見放送で禁止用語連呼、死人が立候補の画像1
「gettyimages」より

 7月5日に投開票が行われる東京都知事選挙のゆくえが注目されている。現職の小池百合子氏の再選が有力視されるなか、今回も一部の個性的な立候補者たちの存在が話題になっている。都知事選といえば、過去にもマック赤坂氏やドクター中松氏などの強烈なキャラクターが立候補しており、選挙マニアから熱い視線を浴びた。

 そんな個性的な候補者や、村民200人以上が立候補した珍選挙などについてまとめた『ヤバい選挙』(新潮社)の著者である宮澤暁氏(35)に、選挙の魅力や楽しみ方について聞いた。

選挙マニアになった2つのきっかけ

 当選の見込みが薄い候補者に注目するなど、一風変わった選挙の楽しみ方をしている人たちは「選挙マニア」などと呼ばれる。宮澤氏もそのひとりで、化学関連企業に勤める傍ら、選挙マニアとして活動している。

「一般には取り上げられない、珍しい選挙について調べています。本書でも取り上げていますが、たとえば立候補者が死亡していた『幽霊候補事件』『200人以上も立候補者が出た村長選』『選挙権が剥奪されていた島』などのケースがあります。選挙の虜になったのは、1999年の都知事選に出馬した羽柴誠三秀吉候補がきっかけでした」(宮澤氏)

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『ヤバい選挙』(新潮社/宮澤暁)

「豊臣秀吉の生まれ変わり」を自称する羽柴氏は、都知事選のみならず各地の選挙に立候補している。鎧兜を着て行う選挙活動や、ポスターに金箔を貼るなどの個性的なパフォーマンスで人気を集めた人物だ。

 その羽柴氏に魅せられて選挙に興味を持った宮澤氏は、各地の選挙管理委員会から選挙公報を取り寄せ、変わった候補者を調べるなどの活動を開始する。そして、ある珍選挙を知ったことで、本格的に選挙マニアとして活動を始めることになる。

「『200人以上も立候補者が出た村長選』です。詳しくは本書を読んでいただきたいのですが、これで選挙の深みにハマりました。本書の執筆にあたっては、地元の新聞や論文を読み漁り、原型となる同人誌をつくるのに半年、書籍化に向けた情報のブラッシュアップに1カ月ほどかかりました」(同)

 件のケースは、60年に栃木県桑絹村(現在は小山市の一部)で行われた村長選挙で、村民の分断などをきっかけに267人が立候補した。本書では、膨大な資料とともに経緯が詳述されている。

最注目は音声カット事件の後藤輝樹氏

 目前に迫った都知事選についても、宮澤氏の関心は高い。特に注目するのは、前回2016年の都知事選にも出馬した後藤輝樹氏だ。

「公職選挙法により、政見放送は『そのまま放送しなければならない』と規定されていますが、前回の都知事選で後藤氏の政見放送は音声がカットされました。これは史上2例目で、1例目は1983年の参院選で東郷健氏が差別発言とみなされた音声を一部カットされました」(同)

 後藤氏は5分ほどの政見放送のなかで、大部分の音声がカットされた。80回以上も放送禁止用語を連呼したことが原因のようだ。

「表現の自由を訴える意図があったとのことで、個性的でありつつも、信念がうかがえます。私のなかでは、まじめな政治的意図を持ち、無所属あるいは自分ひとりでつくった政党に所属して立候補している人は『インディーズ候補』、政策をまじめに訴える気がなく他候補の妨害を目的としている人は『泡沫候補』と線引きしています」(同)

『ヤバい選挙』 「放送禁止用語」連呼の政見放送。「死んだ男」が都知事選候補に。バキュームカーで選挙活動。全部ホントの話です。選挙マニア秘蔵の衝撃的事件簿。 amazon_associate_logo.jpg
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