6月、あるTwitterユーザーが投稿したこんなツイートが話題を呼んだ。
<スタバで妙に長いレシートが出てきたなと思ったら、店員さんが「!!」てなって「あのですね…これ滅多に出ないラッキーなレシートで…アンケートに答えたらトールサイズの飲み物なんでも引き換えできるやつなんで、是非…!」と機密事項かのようにヒソヒソ小声で告げられた>
これに対して6万件以上の「いいね」、6000件以上のリツイートがあり、スターバックス コーヒーの“ラッキーレシート”というキーワードが話題になった。このツイートにはこんな返信も。
<私も一度出たことがあり、使うときにも店員さんが小声になり「!!こちらをお使いですね…ありがとうございます…」「いえこちらこそですありがとうございますほんとうに…」ってペコペコし合った記憶>
店員が小声で説明するということは、他の客に聞こえたら困ることなのだろうか。ラッキーレシートについて、スターバックスコーヒージャパンに問い合わせたところ、広報業務を請け負うプラップジャパンから下記のような回答があった。
「『ラッキーレシート』と仰られているものは、ご利用いただいているお客様にご意見をお聞かせいただくための施策として実施しており、こちらにご協力、ご意見をお聞かせいただいたお礼として、トールのビバレッジを無料にてご提供しているものです。上記以上の詳細については回答できることがなく、本件のご取材は見送りとさせていただければと存じます」
アンケート用の当たりレシートの存在自体はあっさり認めたものの、実施期間やレシートが出てくる確率などについても聞いてみたが、回答は断られた。
そこで筆者はスタバ店舗で直接、店員さんにラッキーシートの存在とお店で出たことがあるかどうかを聞いてみた。
「あ、レアなレシートですね。このお店でも出たことがあります。確率はわかりませんが、何百回に1回とか…」(アリオ亀有店)
「当店でも出たことがありますが、私自身は見たことがありません」(御徒町春日通り店)
店員さんにレシートの存在を隠す様子はなく、ヒソヒソ話にもならなかった。秘密裏に実施しているということではなさそうだった。
正式名称は「CVクーポン」
スタバで以前アルバイトしていたというAさんによれば、巷で「ラッキーレシート」とか「当たりレシート」とか呼ばれているものは、正式には「CV(カスタマーヴォイス)クーポン」というものらしい。アンケート案内が記載されていて、CVクーポンに記載されたURLにアクセスするか、QRコードを読み込んでログインしてアンケートに答えると、好きなドリンクを無料で1杯プレゼントしてくれるというものだ。
CVクーポン記載のカスタマー番号を入力してアンケートに答える仕組みになっており、回答後に表示される「ドリンク引換ID」をCVクーポンに記入して店に持っていかなければならない。ただし、最後まで回答できないと無効だそうだ。また、再ログインは不可なので、ズルはできないようになっている。アンケートの内容は簡単なもので、「次回はいつ頃来店予定か」「ドリンクは美味しかったか」「受け取り時間がかかったか」等など、それほど時間はかからなさそう。
CVクーポンで交換できるドリンクは、トールサイズなら何でもOK、トッピングも無料だ。アンケートに答えるには一手間かかるものの、当選したあかつきには、ふだん飲まないような高額商品をオーダーして、思いっきりトッピングしたいものだ。注意点は、CVクーポンには期限があるということ、18歳未満は不可ということ。
なお、どのくらいの割合で発行されているものなのかはAさんも知らないといい、スターバックス側も公式発表していない。かつて、テレビ番組『アッコにおまかせ!』(TBS系)でもこの話題を取り上げたことがあったそうで、そのときは「1000枚に1枚以下」と放送されたとか。しかし、どうやらそれも確かなものではないという。
ネット上には発行確率を上げるためのウラ技情報がまことしやかに飛び交っている。「現金ではなくスターバックスカードを利用する」「同じ店舗に通う」「当たりやすい評判の店舗を狙う」等など。ほとんど、当たりやすい宝くじ売り場をアドバイスしているようなものばかりで、すべて都市伝説だと思ったほうがよさそうだ。