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石堂徹生「危ない食品の時代、何を食べれば良いのか」

牡蠣・アサリ・シジミの生焼けに注意!新型ノロウイルス、10月以降に大流行の恐れと警告

文=石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト

ノロウイルスの基礎知識

 ノロウイルスは、秋から冬にかけて流行する食中毒の主要原因のひとつだ【編注7】。

 感染経路は、基本的に口からウイルスが入る経口感染である。ノロウイルスに汚染された牡蠣などの二枚貝を生や加熱が不十分な状態で食べたり、ノロウイルスに感染した人が調理した際に手や指などを介して汚染された食品を食べて感染するケースが多い。

 口からノロウイルスが入ると、小腸の上皮細胞に感染し、24~48時間の潜伏期間を経て症状が出る。特に、突発的な吐き気やおう吐、下痢、腹痛などの急性胃腸炎の症状を起こすが、大半は数日間で自然に回復する。

 ただ、高齢者や乳幼児などの場合、おう吐物による窒息や、誤嚥(ごえん)性肺炎で死亡することもある。回復しても、糞便中には通常1週間ほど、長ければ1カ月以上もノロウイルスが排出され、手指に付着してドアのノブなどを汚染し、二次感染や集団感染を引き起こす可能性もある。

 ノロウイルスが原因の食中毒患者は、年間数百万人と推定されているが、これは、実際に報告されているノロウイルス食中毒患者の数百倍に当たる【編注8】。

 ノロウイルスに感染しても、はっきりとした症状が出なかったり、軽い症状だったりすることも多い。つまり、知らないうちに感染し、それが二次感染や三次感染を引き起こしている可能性もある。用便後はしっかり手を洗うなど、くれぐれも注意したい。
(文=石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト)

【編注1】国立感染症研究所「新規遺伝子型ノロウイルスG2.P17- G2.17の流行」

【編注2】正式名称はローマ数字、以下同

【編注3】【編注1】と同じ

【編注4】【編注1】と同じ

【編注5】厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」最終改定2015年6月30日

【編注6】国立感染症研究所「ノーウォークウイルス(ノロウイルス)の遺伝子型(2015年改訂版)」

【編注7】(1)「ノロウイルスのゲノム解析と流行発生のしくみ」感染症学雑誌 第86巻第5号。(2)国立医薬品食品衛生研究所「ノロウイルス感染の症状と感染経路」

【編注8】国立医薬品食品衛生研究所「ノロウイルス感染症の発生動向」

石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト

石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト

1945年、宮城県生まれ。東北大学農学部卒。養鶏業界紙記者、市場調査会社などを経て、フリーに。現在、農業・食品ジャーナリスト

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