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川端理香「惑わされない! 栄養と食の本質」

なぜ暑いのに“夏太り”する?冷たい麺類や脂っこいモノでカロリー過多に

文=川端理香/管理栄養士
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「gettyimages」より

 今年の夏は、30度以上の日が続きました。暑さで食欲がなくなる、汗をかくなどして、夏は体重が減りやすいと思っている方が多いようですが、本当にそうでしょうか。むしろ、夏痩せではなく、夏太りをしていませんか?

 気温が高く発汗が多いと、代謝が高くなると思いがちです。でも、実際は夏は代謝が高いわけではなく、むしろ夏は冬よりも代謝は低いのです。気温が低くなると人間は体温を保つためにエネルギーを使います。これが夏よりも冬のほうが代謝が高くなる理由です。

 ですから、夏よりも冬のほうがしっかり食べるべきなのですが、世間では「夏バテしないように、がっつり食べよう!」といわれます。確かに、暑さでだるさや疲労は感じやすくなっていますが、食べ方によっては太ることはもちろん、むしろ食べることが疲れの取れない原因になることもあるのです。

 まず夏場の食事で気にしたいことは、エネルギーの摂り過ぎにならないことです。普段、主食などの糖質を控えめにして体重を維持している人は、よほど食欲がない日が続く場合を除いては、暑いからといって主食を増やす必要はありません。

 また、よくありがちなのは、のど越しがよいからと食事を冷たい麺類中心にしてしまうこと。これで必要以上にエネルギーを摂り過ぎてしまうこともあります。麺類を摂る場合は、急激な血糖値の上昇を防ぎ、かつ満腹感を感じるためにも、わかめやねぎ、納豆などをのせて、また、食物繊維の多い十割そばや二八そばなどを選ぶようにしましょう。

 特に避けたいのは、天ぷらをのせた麺類です。「スタミナをつけなければ!」と思わず選びたくなりますが、夏バテ気味の時は逆効果。天ぷらのような脂っこいものは体重増加の原因になるだけでなく、むしろ消化にも時間がかかるため、身体は疲れてしまうこともあるのです。同様に、夏場に焼肉でカルビなどの脂っこいお肉とごはん(米)の食べ過ぎも注意すべきです。

スポーツドリンクも要注意

 筆者がアスリートの食事をサポートしていて感じることですが、スポーツドリンクや経口補水液などの摂り過ぎでも体重が増えやすくなります。過酷なトレーニングを毎日行っているアスリートでさえ、そのようなドリンクによって体重が増えていることがあるため、一般の人で1日何本も飲んでいるという人は注意しましょう。

川端理香/管理栄養士

川端理香/管理栄養士

昭和女子大学非常勤講師。2004年アテネオリンピック「VICTORY PROJECT」チーフ管理栄養士、08年北京オリンピック委員会強化スタッフ。JリーグやVリーグ、プロ野球、プロゴルフ、ラグビーなど多くのトップアスリートをサポート。著書多数。一般を対象にした講演などの食育活動や執筆、レシピ開発、企業の栄養アドバイザーも務める。


川端理香オフィシャルブログ

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