秋も深まり、そろそろ年末年始の予定も気になるこの頃だが、毎年この時期にハメを外して暴飲暴食し、体重を増やしている人も多いのではないだろうか。
ところで、日本人の基礎代謝量には季節変動があり、夏に低く、冬に高く「冬は痩せやすい季節」という説を聞いたことがあるかもしれない。これは、気温が低くなると、体温を一定に保つことに、温暖な季節よりエネルギーを使うためだ。
しかし、基礎代謝の季節変動に関する研究はひと昔前のもので、対象者は一年中戸外で過ごす時間が長く、寒暖差の激しい室内で暮らし、食事に占める炭水化物が今より多かった時代の結果だ。
一年中空調のきいた室内で過ごすことが多くなり、食事に占める脂質の割合が増えた現代人では、昔のように季節による基礎代謝の変化はみられなくなってきている。「冬は基礎代謝が高くなるので痩せやすい」と一概には言いがたくなってきているのが現状だ。毎年冬に増えた体重が減らず年々増量している人には、「冬に太らない」ことに取り組むことをお勧めしたい。誘惑が多い年末年始も、少しずつ行動を改めることで、体重増加は防げる。年末年始に向けて、今回は「太らないための酒の飲み方」について紹介したい。
アルコールのカロリーは使われない?
「酒はエンプティーカロリーだから、エネルギーにならない。カロリーゼロ」と考えている人がいるが、これは誤りだ。アルコールは糖のように効率よく体内でエネルギーとして使われないため誤解されているが、アルコールもエネルギー源としてある程度使われる。また、アルコールを代謝している間は、脂肪の代謝が阻害されるなどの弊害もあり、飲み過ぎれば当然肥満につながる。
日本酒は太る?
酒は製造方法により、糖質が残る醸造酒と糖質を含まない蒸留酒がある。糖質の残る醸造酒は、日本酒、ビール、ワイン、シャンパンなど。一方糖質を含まない蒸留酒は、焼酎やウィスキー、ジン、ウォッカなどだ。
「糖質の多い酒といえば日本酒」と真っ先に思う方も多いだろうが、同じアルコール量で比べると、ビールのほうが糖質は多く、ロング缶1本でご飯なら茶碗1/3杯程度の糖質を含んでいる。ビールや日本酒などの醸造酒を飲む場合は、つまみや食事の糖質は控えるのが鉄則だ。
ちなみにクリスマス時期などに飲む機会が増えるシャンパンは、ビールに比べると糖質は1/4ほど。宴会続きの年末年始の乾杯はビールよりシャンパンがお勧めだ。