なぜ飲み会でいつも遅れる人がいるのか?
—幹事の心配事として、参加者のドタキャンがありますよね。
本郷 500回の食事会を行った経験からいえば、1割ほどはドタキャンが出てしまいます。対策としては、フェイスブックに「ドタキャン対策連合」をつくり、ドタキャンが出たら代わりに参加する人を募ってリスクヘッジをしています。
そのほか、ドタキャンを見越して少なめの人数で店を予約しておく。これは、大きな店の場合は有効かと思います。大きければ「増える分にはかまわない」という店もありますので。50人入れる店なら「48人です」と言っておくわけです。ドタキャンで店に迷惑をかけるのが、一番よくないことですから。
–また、飲み会などで、いつも遅れてくる人がいますよね。本当に忙しいのかもしれませんが、“忙しいアピール”をしているんじゃないかと、あまりいい気もしません。「遅刻してきた人のお会計はどうなる?」といった面でも幹事の気を揉ませる存在ですが、どう対応されていますか?
本郷 仕事の関係で、その日にならないと都合がわからないという人がいますので、その人については、最初から1次会のメンバーには数えていません。本人にもそれを伝えています。もし間に合った場合は、コースとは別のものを頼めばいいだけですからね。
また、いつも遅れて来る人というのは、自分が迷惑をかけているという自覚がないんです。幹事をやったことのない人は、遅刻やドタキャンが迷惑なことだと実感としてわかっていないんだと思います。
–悪質な人は、どうしていますか?
本郷 ドライに切ります。2回ドタキャンをしたら、もう誘いません。
人材交流会に行くのは無駄!食事が最高のコミュニケーション術
–大人になると、人との交流は、努力をしないとどんどん先細りになっていきますよね。
本郷 そうですね。ただ、僕は人材交流会に行くのは無駄だと思っています。名刺を交換しても、友達にはなれません。でも、おいしいものを食べたり飲んだりすれば、利害関係のない結びつきができるので、そこから人的ネットワークが広がっていくと考えています。
–また、一方で、家族とおいしいものを食べに行くことも提案されていますが、こちらはサボっている人も多そうですよね。
本郷 私自身もそんなにしているわけではないのですが、富裕層の方を見ると、本当に家族を大切にしているんです。ある店に行っておいしかったら、「今度は家族と一緒に来たい」とその場で予約をする。おいしいものを食べた時に1人で完結せず、「今度は家族と」と思うのって、とても優しいことですよね。
–そういった発想が、そもそも浮かばない人も多そうですね。
本郷 「この料理を家族にも食べさせてあげたい」や、本書で提案している「行きつけのお店もつくる」もそうなんですが、そもそも、そのような発想にならない人が自分も含めて多いと思います。
『自分をバージョンアップする外食の教科書』 テレビ番組を25年以上作り、世界的な音楽家、芸術家、建築家、職人、人間国宝、三つ星シェフ、一部上場企業の社長、ベストセラー作家、売れている芸能人、気鋭のクリエイター、億万長者など、その道でかなりの成功をおさめている世間で言う「一流」の人に数多くインタビューした著者が気づいたこととは……。 「一流の人は、外食を武器としている」ということ。