借金癖や「考え方の違い」で結婚を後悔
一方、20%足らずの既婚者は結婚したことを「後悔している」と回答しているが、コメントを見ると、その理由はなんともリアルだ。
「結婚する前から借金があったり、ギャンブルのためにカードローンを利用したりして、経済観念がない人だったので、結婚したことを後悔しています」(女性/54歳/主婦/子供あり)
「後悔しています。夫の定年退職後、お互いの考え方がこうも違っていたのかと強く感じています。じっくり話せば話すほど、歩む道がまったく違っていたのだと思い知らされました」(女性/68歳/主婦/子供あり)
「結婚相手がギャンブルにハマっていたから」というのは、理由としてよくわかるが、夫の定年後になって「考え方の違い」に気付き、結婚を「後悔している」という68歳の女性のコメントはなんとも衝撃的である。このように、長年一緒に生活してきた50~60代の人が後悔しているケースも少なくない。
さらに、それよりもう少し下の40代に目立ったのは、次のような声だ。
「この8月に離婚することになりました。結婚はもうしばらくはこりごり」(男性/43歳/経営者・役員/子供あり)
夫の定年後に結婚を後悔する60代と、今まさに離婚に踏み切ったという40代。これは、世代による離婚への考え方の違いだろう。50~60代は我慢して結婚生活を維持しようとする傾向があるが、40代になると途端に離婚へのハードルが下がるのだ。
子供の存在が離婚を思いとどまらせる?
そんな中、世代を問わず既婚者が重要と考えるのは、やはり子供の存在のようだ。特に、夫より妻の側にその傾向が強い。
「結婚後、夫の性格の悪さに気付き、将来を一緒に過ごすのが不安ですが、素直な子供たちがいるので我慢します……」(女性/46歳/専業主婦/子供あり)
「後悔している。こんなにも決断力がない人とは思わなかったが、かわいくて賢い子供が生まれたので、よしとしている」(女性/34歳/公務員/子供あり)
「結婚して6年。心の安心感はあるけど本当にこの人だったのか? と思うことがしばしば。唯一のつながりは子供です。子供が巣立ってしまった老後が不安……」(女性/35歳/専業主婦/子供あり)
だからこそ、子供の存在がなければ結婚に対する満足度も一気に下がり、離婚に至ってしまうケースも多いようである。
「結婚を否定すると子供の存在も否定することになってしまうかなと。子供がいるから我慢もできます。いなかったら離婚していると思います」(女性/45歳/会社員/子供あり)
多くの未婚者からすれば、本来「勝ち組」の既婚者たちが抱える、結婚生活の意外な本音。これが結婚の現実なら、やはり日本の生涯未婚率は、この先も上昇し続けるのかもしれない。
(文=谷口京子/清談社)