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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

自分で料理しないのは人体に危険!がんリスク増も…がん死亡者激増の要因は食の変化

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

食事不要の時代が来る?

 1970年に開かれた大阪万博で、日本に初めてファストフードがお目見えしてから、日本の食事内容は大きく変わりました。その後、ファミリーレストランの登場などもあって肉の摂取量は増え、トランス脂肪酸をはじめとする劣悪な油脂の摂取も格段に増えてしまいました。同時に、今や1500品目にも上る食品添加物の多用も、なんらかの影響を与えていることは曲げようのない事実でしょう。

 筆者は、ここに注目すべきだと考えています。私たちが、自分の食事内容を自分で考えコントロールすることは、それほど難しいことではありません。何を食べるべきか、という初歩的な栄養学がわかり、それを実行するための「家庭料理のシステム化」を図ればいいのです。家庭料理にはテクニックなど必要ありません。必要なのはシステムです。

 その「家庭料理のシステム化」を教えている場所が、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会(JORA)です。各地で「体験セミナー」を開いていますので、ご興味がある方は、JORAのホームページをご覧になってください。

 さて、皆さんは「シンギュラリティ」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。日本語では「技術的特異点」と訳されます。このことについては人工知能の世界的権威であるレイ・カーツワイル氏が『シンギュラリティは近い』(NHK出版)という本を著していますので、ご一読をお薦めします。この本は、あえて言うならば「近未来に起こるであろう、人類と人工知能の融合」について述べているものです。もちろん、そんな薄っぺらな一言で言い得るほど単純な話ではないのですが、この本の中では食事についても一項を割き、次のように述べています。

「最終的には、最適な健康状態を得るにはどんな栄養剤が必要か(数百種類ものフィトケミカルを含め)、一人ひとりに合わせて正確にわかるようになるだろう。そういったものは安く、気軽に利用できるため、いずれは食べ物から栄養をとるという面倒はまったく不要になる」

「人類はそのテクノロジーによってすでに本来の寿命を伸ばしてきた。(中略)複雑な器官(たとえば心臓)を取り替えるシステムも導入され始めている。人間の体や脳が動く仕組みが明らかになるにしたがって、手持ちのものよりはるかに優れた器官をじきに作りだせるようになるだろう。それらは長持ちし、機能面でも優れており、弱ったり、病気になったり、老化したりしない」

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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