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小薮浩二郎「食品の闇」

食品に紛れ込んだゴミに関する「不気味な話」…時間経過による「変色」の謎

文=小薮浩二郎/食品メーカー顧問
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食品に紛れ込んだゴミに関する「不気味な話」…時間経過による「変色」の謎の画像1「Thinkstock」より

 食品添加物に含まれている不純物の問題を指摘したのは、筆者が最初だと思います。拙著で「食品添加物には不純物がたくさん含まれている」という趣旨のことを書いたら、有名な方から「添加物は添加物公定書で非常に厳しく規制されており、不純物など含まれていない」という忠告を頂きました。

 目的物質以外の物質が不純物です。たとえば、合成甘味料であるサッカリン。サッカリンという物質が100%であれば、不純物は0%です。サッカリンはいろいろな化学薬品を混ぜて化学反応を行い、製造されます。この場合に使用された化学薬品が残れば不純物です。ただ、不純物は個々の添加物により異なり、非常に複雑です。不純物が混入する原因は、以下の2つです。

(1)添加物の製造過程で生成する不純物

 多くの添加物は化学合成でつくられます。化学合成というのは何種類かの化学薬品を混ぜ合わせて、圧力や熱を加えて目的とする物質をつくることです。筆者も一時期、生体成分を用いたかなり高度な化学合成の研究に従事していました。

 化学合成というと何か難しそうに思われるかもしれませんが、大工さんが一軒の家を建てるほうがよほど複雑な上に精密で難しく思えます。話をわかりやすくするために、犬小屋をつくるケースで考えてみると、大工さんは角材を削り、適切な寸法に切り骨組みをつくります。次に板を釘で打ちつけ、さらに屋根をつくって犬小屋は完成します。原料は板、角材、釘、ですね。板や角材を切ったり、釘を打ちつけたりするのが化学反応と考えてください。

 では、添加物を化学合成でつくるに場合について考えてみましょう。

 原料となるいろいろな物質を混ぜ合わせて化学反応を行ない、まず途中の物質(=犬小屋の骨組み)をつくります。次にこの途中の物質に別の物質を加えて混ぜ合わせ化学反応を行い(=犬小屋の骨組みに板や屋根を釘で打ちつける)、目的とする添加物が出来上がります。犬小屋が目的物です。

 しかし、犬小屋が出来上がったとき、材料の板や角材が少し残ります。また角材や板の切れ端、カンナ屑などが残りますね。これらの残り物が犬小屋という目的物の不純物、つまりゴミです。化学合成も同じです。目的とする物質以外のものはすべて不純物(ゴミ)です。

小薮浩二郎/食品メーカー顧問

小薮浩二郎/食品メーカー顧問

1945年、岡山県生まれ。九州大大学院農芸化学専攻(栄養化学講座)修了。製薬会社の研究部門ほか、添加物開発の最前線で添加物研究に従事する。研究歴40年以上で、第一人者。現在は、食品会社の顧問、食品販売会社特別顧問(品質管理)に携わる。著書に「悲しき国産食品」「食品業界は今日も、やりたい放題」「食品選び・おとなの知恵 ちょっと高くても、コッチ!」など。

Twitter:@eQuqANeNct8MdU5

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