正体不明の有機フッ素化合物も検出?
実際、ファストフードの包装紙や紙容器は危険なのだろうか。また、今回の発表の確度はどのくらいなのか。
「今回の論文では、フッ素が検出された包装紙から、さらに20のサンプルを選び、『液体クロマトグラフ-飛行時間型質量分析計(LC-TOF/MS)』という最新の分析装置で計測したそうです。その結果、具体的な物質名が判明し、そのうち6つのサンプルからは、11年にFDA主導で業界が使用中止にしていた種類のPFASが検出されたとのことです。
さらに、正体不明の有機フッ素化合物も多数認められたといいます。これらの物質のうちのいくつかは揮発性があり、分析の過程で消えてしまった可能性もあるため、実際に含まれている割合はもっと高いのではないかとされています
また、この研究はなかなか念入りに行われていて、『化合物が偶然まぎれ込んだだけ』という言い訳をさせないために、同じ地域の同じ商品からサンプルを繰り返し採取し、最長8週間にわたって繰り返し分析していますが、いずれも結果は同じだったそうです。最終的な結論としては、ファストフードの包装紙や紙容器の38~55%に有機フッ素化合物が含まれている可能性がある、というものでした。
ちなみに、分析終了後にファストフード店を運営する企業に対して、この事実を認識しているかどうかを尋ねたところ、わずか2社からしか回答がなく、1社は『そのような事実はない』、もう1社は『包み紙などを製造している会社に問い合わせたが、使っていないとの返事だった』と答えたそうです。さて、日本のファストフード店は大丈夫なのでしょうか?」(同)
マック、モス、ケンタッキーを直撃すると…
そこで、日本のファストフード店の状況を知るべく、マクドナルド(日本マクドナルド)、モスバーガー(モスフードサービス)、ケンタッキーフライドチキン(日本KFCホールディングス)の大手3社に、今回の発表および岡田氏の見解を提示してコメントを求めた。
残念ながら、ケンタッキーからは期日までに回答を得ることができなかったが、マクドナルドとモスからは以下のような回答が得られた。まずは日本マクドナルドPR部だ。