春の進学や就職を機に、大胆に髪形を変えてみたり、メガネを新調する人は結構いるだろう。なかには長年愛用してきたメガネを脱ぎ捨て、思い切ってコンタクトレンズに乗り換えてイメチェンを図る人も少なくない。
事実、参天製薬が、日常的にコンタクトレンズを使用中の20~30代男女(500名)を対象に実施したインターネット調査(2月2~6日)でも、新生活のタイミングは「コンタクトデビューがしやすいと思うか?」との問いに82%のユーザーが「そう思う」と回答している。
そう考える理由としては「メガネから急に変わるのが恥ずかしいので」(27歳・女性)、「環境が変わるとイメージチェンジがしやすいから」(25歳・女性)、「新たなコミュニティーに移る時期に合わせて変えたほうがスムーズ」(37歳・男性)等々。
実際、新生活や新学期を機にコンタクトデビューしたという経験派回答者が、ほぼ3人に1人(31%)いた。
メガネからコンタクトで悩みは4割増し?
また、恋愛面や仕事上あるいは学校生活の場面等において、コンタクトデビュー後は「プラスの影響が生じたか?」との質問に関しても、およそ8割(77%)の回答層が「そう思う」と効果を裏付けた。
具体例としては、「モテるようになった」と答えた24歳の男性もいれば、「目元のメイクがしやすくなって、全体的に華やかになった」と自己評価する30歳の女性回答者もいた。
他にも、「見やすく/動きやすくなった」などのプラス効果から「部活(バスケ部)で活躍できるようになった」(29歳・女性)や「仕事がはかどるようになった」(31歳・女性)などのポジティブな声も浮き彫りになった。
だが一方で、コンタクトデビュー直後は、不慣れゆえの戸惑いも少なくないようだ。
「(デビュー当時は)目の悩みが多かったと感じますか?」との問いに、半数以上(53%)の回答者が「そう感じる」としている。さらに、「デビュー前(メガネ使用や裸眼)に比べて目の悩みは何割増しだったか?」との質問に対する平均回答は「4割増し」だった。
コンタクト初心者の悩みの内訳は、「異物感がある」が53%で首位。次いで「乾きやすい」が47%を数え、「疲れやすい」の35%がこれに続いた。
要は、物事の使い始めや転身直後は使いこなせるまでに戸惑いや悩みがつきものということだろう。たとえば、手入れひとつにしても、不慣れな時期はとかく億劫で使用の継続を躊躇させたりもするものだ。
ズボラ派は「アカントアメーバ角膜炎」に要注意!
新年度を機にイメチェン(=コンタクト)デビューをもくろんでいる人は、ぜひ初期段階からメンテナンス上の手抜きや不適切な使用法を避けて、一日も早くプラスの影響(効果)を手にしてほしいものである。
とりわけ気を付けてほしいのが、「アカントアメーバ角膜炎」と呼ばれ、目の黒目部分に感染して起こるコンタクト使用者特有の病だ。水道水から土壌に至るまであらゆる環境下で生息・増殖する微生物の一種、アカントアメーバは、ひとつのコンタクトレンズを長期間使いまわしたり、不適当な扱いを続けていると増え、角膜炎の原因となる。
昨今、主流の「1日使い捨てタイプ」の場合は神経質になる必要もないが、感染者の大半は2週間使用のソフトコンタクト派や、事前の入念な手洗いが欠かせない(=洗浄・すすぎ・保存・消毒を1液で行えるが、確実で丁寧なこすり洗いが必須の)MPS洗浄液の使用者だという。
2009年とやや古い調査結果だが、全国の大学病院では年間155人がこの「アカントアメーバ角膜炎」と診断されている(愛知大学眼科学教室)。そうなれば現状では特効薬もなく、最悪例では失明の可能性もあるというから「使用期限の無視」や「アバウトな扱い」によるリスクは侮れない。
また、レンズ保存の際の、保存液の交換を怠るのも細菌繁殖の原因となる。保存液は横着せずに定期的に交換し、レンズケース自体も水道水で洗って乾かしながら使おう。
「どうも自分の性格上、正確で丁寧なメンテナンスが続かなそう。でも、コンタクトにしたいし、そのプラス効果の恩恵にあずかりたい」――そんな不器用派は、「1日使い捨てタイプ」をお薦めする。オシャレ志向で目を傷つけては、それこそシャレにならない。
(文=ヘルスプレス編集部)