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日本集中治療医学会によるDNRの考え方は、「患者が尊厳を保ちながら死にゆく権利を守るために、心停止時にCPRを行わないようにという患者本人の自己決定権に基礎を置いた事前指示」である。CPR(Cardio Pulmonary Resuscitation)とは、呼吸や心臓が停止した患者に対して行う、心肺蘇生法のことである。最期を迎えようとしている患者に対して、蘇生の可能性が低いにもかかわらず施される医療行為は、患者の苦痛を助長する可能性がある。日本ではまだ一般に広く普及しているとは言い難いDNRだが、私たちは自分がどんな人生の終焉を迎えたいかということを考える必要がある。
遺族へのケアも不可欠な終末期医療
終末期医療で、自分の意思通りに過ごすには、なんといっても患者と家族、医師の理解と信頼が必要だ。死が避けられなくなったときに、どこまで医療行為を受けるかをしっかりと話し合っておいた場合でも、患者が亡くなった後に遺族が「ほかにできることがあったのではないか」「延命すべきだったのではないか」などと罪悪感に苛まれるケースもある。
想像の範囲でしかないが、小林麻央さんの容態が悪化していくのを見守った夫の市川海老蔵さんは、自分の身を裂かれるほどのつらさだったことだろう。気丈に舞台を務め、記者会見にも応じている海老蔵さんだが、今後、十分な心のケアが必要だろう。
小林麻央さんが私たちに見せた闘病の軌跡は、今後のがん予防やがん治療ばかりでなく、医療全体に大きな影響を与え続けるだろう。彼女がブログに記した「力強く人生を歩んだ女性でありたいから。子供たちにとって強い母でありたいから」という言葉の通り、強い女性・強い母親であり続けた姿は、多くの女性のロールモデルとなっていくだろう。
心よりご冥福をお祈りいたします。
(文=吉澤恵理/薬剤師)
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