(4)運動をする
脳の使い方を切り替えるための、最後の要素は「運動」である。脳を最高の状態にしておきたい場合は、早朝に運動をし、血流をよくしてエンドルフィンの分泌をうながし、創造力を高めることが重要だ。ただ、運動しすぎも禁物で、へとへとになると知力を改善するどころか損なってしまいかねない。おすすめは、デスクの前でできる軽い運動だ。
・肩まわし(両肩を3~5回前に回し、次に同じ回数だけ後ろに回す)
・つま先上げ(かかとをしっかり床につけたまま、つま先を上げ、そのストレッチを30秒以上続ける)
本書では、ほかにもいくつかの運動が紹介されており、「歩きながらミーティング」という手法も取り上げられている。
原始的な恐怖をリセットする(リセット)
(1)ラベリングによるリセット
これは、端的にいえば「感情に名前をつける」という方法である。感情が高ぶって自制心を失いそうなときは、自分が感じていることに1枚のラベルをつけてみよう。重要な場に出るとき、腹を立てたときなどに、黙って感情に名前をつければ、その感情の縛りを解くことができるという。さらに、その感情の名をポジティブなものにつけ直せれば、なおよい。
(2)意識的なリラクゼーションによるリセット
この代表的な手法が「深呼吸」である。意識的に筋肉を弛緩させられる深呼吸は、緊張したときなどに使いたい。
まずは、座って心を集中させ、おなかの上に片手を置きながら、口から大きく息を吐き出し、体の力を抜く。そして、息を吸い込むときは手を押し出すようにおなかをふくらませる。これを数回繰り返し、ゆっくりと吸ったり吐いたりする。深呼吸は意識的に筋肉を弛緩させ、心身を休ませて元気にさせる効果がある。
(3)感覚のリセット
これは、香りや音を使ってのリセットだ。嗅覚は大脳深部にある辺縁系に作用するため、かんしゃくを起こしそうな状況を落ち着かせるために利用可能だ。シナモン、バニラ、ナツメグ、ラベンダーなどの香りに効果があるという。
また、会議が始まる際には陽気な音楽をかけるなどして、前向きな調子で始めるといいだろう。
(4)パワーポーズによるリセット
「パワーポーズ」とは、解放的でスペースを広く使う姿勢のこと。たとえば、以下のようなものがある。
・両足を机の上に投げ出して座り、両手を頭の後ろで組む
・両脚を開いて立ち、両手を腰に当てる
オフィス内でやると怒られてしまいそうなポーズもあるが。もし周囲に誰もいなかったら実践してみたい。恐怖心が薄れ、物事に進んで挑戦できるようになるという。
◇ ◇ ◇
いかがだろうか? 日々のなかですぐにできることばかり。どれを最初にやるか、という順番は決まっていないので、自分のできる範囲のなかでやってみてはいかがだろうか。
(文=編集部)
※本記事はPR記事です。
『心を休ませるために今日できる5つのこと』 ハイペースな現代の生活の中で、疲れ切った頭と心を抱える私たち。燃え尽きそうになる前に、小さな工夫を少しずつ実行することで、心を休ませて、自分が持つ能力を最大限にいかすのが、この本で紹介する「マイクロ・レジリエンス」のテクニックだ。著者ふたりが困難を乗り越えるのに役に立った方法をまとめて、何千人という人たちにインタビューし検証と修正を重ね、誕生した。