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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

封印されたダイオキシン問題、蝕まれる日本人の体…生殖機能低下や腫瘍形成の恐れも

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

 ダイオキシンは廃棄物中の有機物と塩素が化合して生成されますが、焼却炉は明らかにダイオキシン発生源です。この有害物質は私たちの体にさまざまな異常を引き起こすことがわかっていますが、特に問題なのは生殖機能の低下と、腫瘍形成、そして免疫力の低下をもたらすことだといわれています。日本人に不妊が多くなってきていることや、がんになる人が多いこと、アレルギー生活習慣病も多いことなども、もしかしたら、このことと関連があるかもしれません。

 残念至極ではありますが、このダイオキシン発生量も日本は世界一です。ついでにいうなら、二酸化炭素の排出量では1位アメリカ、2位中国、3位ロシアに次いで世界第4位。これも人口や国土面積などを考え合わせると、4位とはいえおびただしい量です。

食生活の改善が最重要

 こうした問題の背景には、私たち自身の生活も大きく関係しています。日本人は、食品の過剰包装を好みます。コンビニエンスストアで弁当を買うと、弁当の容器を透明のプラスチックで包装してあり、それをご丁寧にビニール袋に入れています。スーパーマーケットで買い物をすれば、肉でも魚でも野菜でも果物でも何重にも包装されて、これまた最後にビニール袋が何袋か手渡されます。百貨店で買い物しようものなら、「もういいですから」と断りたくなるほど何重にも包んでくれて、「そんなことしている時間がもったいないわ!」と悪態のひとつもつきたくなってしまいます。

 そういうもの全部が積み重なって、膨大な量のゴミが排出されているのです。私たちは、そういうライフスタイルを見直さなければならない時に立ち至っているのかもしれません。本当に必要な包装はしてもいいと思いますが、不必要な包装があまりにも多すぎるという現実を、きちんと見据えなければいけないと思います。

 そこに深く関わってくるのが、私たちの食生活です。食生活のあり方を変えなければなりません。もっとも考えなければならないのが、すべての工業製品的加工食品のありようだと思うのです。私たちが工業製品的加工食品を買う頻度を下げたら、かなりゴミの排出量に影響が及ぶことと思います。ただ便利だから、安いからという理由だけで、工業製品的加工食品を買うのを、やめにしませんか。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

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